2011年7月31日日曜日

かきごおり

お腹の子は、サイズ的に、もういつ産まれてもいいと先生が言った。
でもまだ頭は降りて来ていませんね、とのこと。
産まれるタイミングは、子どもが決めるらしい。それがいつになるかはわからないから、こちらはドキドキ。
上から触った感じで、「恥骨のあたりまで来たらヤバいんだろうな」と勝手に思い込んでいる。違うのかな。よくわからない。

家でぐずぐずしていてもつまらないので、さすがにあと一週間くらいはまだいいだろうということで、昨日は母と岐阜県へお出かけをした。

朝から土岐市にあるアウトレットに出かけて買い物をした後、恵那市にニューオープンした「銀の森」という食品のテーマパークみたいなところへ足をのばした。
こちらは、整備された庭園に、和菓子、洋菓子、ご飯の友的総菜のショップと、おせち料理のプレゼン施設、レストランがある。おせちの写真を見たけど、かなり豪華でおいしそうだった。しかも安い。今申し込むと、割引になると言われたので心動いたけど、この正月はどうなるかわからないしな〜。
もともとおせちをつくる会社で、独自の急速冷凍技術があるとのこと。それを菓子などに応用して展開させているようだった。

恵那市、中津川市は和菓子が有名で、おいしいお店が点在している。特に栗や柿を使った和菓子は店ごとにバラエティに富んでいて、どれも甲乙つけがたい。
「銀の森」では、きんつばと、ブランデーを加えた栗きんとんを餡でくるんだおまんじゅうが特においしかった。相当試食をして、お腹がいっぱいに。
なのに、やっぱりお茶もしたい、ということで、レストランへ。

ここで「柿氷」というメニューを注文した。
その名の通り、熟した柿が凍っているというお菓子だった。
かなり溶けた状態で提供されたけど、もっと冷たいほうがいいと思った。
素朴な甘さで、おいしかった。



番外
こんなの聴いちゃいまして編

先日車の中で地元のFMを聴いていたら、なんともひっかかるポップスが流れた。
名前をおぼえて、後日ネットで検索したら、連絡先がわかったのでコンタクトを取り、本人から直接CDを購入。これがなかなか、いいです。ほんと。
声がいいし、英語がうまくて、センスがある。と思う。
柳川タカシさんといって、ここでいくつか曲を聴けます。Human Nature とか歌っているの、おもしろい。
http://yanahan.main.jp/

おすすめです!


2011年7月27日水曜日

胴体トレーニング


ステキな年上のお友達、えみこ姉さんが企画・制作に携わった「胴体トレーニング」(KKベストセラーズ刊)という新しい書籍を送ってくれた。

安産にも効くというので、さっそく昨夜からトライ。
とっても簡単な動きなんだけど、お〜、体を動かしてるな、という実感が得られる。妊婦でも無理なくできる動作がたくさんあって、ありがたい。
いつ、何度やってもいいそうなので、これからピラティスと合わせて、朝に晩に取り入れることにした。


ようやく実家生活にもリズムが出てきて、親との距離感もつかめるようになり(父のドヤしを聞き流すのがコツ)、毎日なんとか快適に過ごせるようになってきた。

朝は7時くらいに起きて、果物、ヨーグルト、パンかショートブレッド(とにかくバターがやめられんのです・・・)と豆乳入りデカフェ。何がいいのか、組み合わせがよいのか、よくわからないけど、これで毎朝スッキリ、便秘知らず。
妊婦は便秘と痔と歯周病、足がつる等に悩まされるとおどされていたので、びびっていたけど、おかげでどれも大丈夫。右足だけむくむのには閉口しているけど・・・。

朝食後、小一時間ほどしたら、ピラティスをする。
銀座のbasiでプライベートレッスンをしてくれていたmakiさん直伝のマタニティプログラムは、ほんとに気持ちがよい。

その後、ピアノの練習をする。
バッハのインベンション、子どもの頃にやっていたテキストをひっぱり出してきた。手指のむくみにも効きそうだし、バッハって胎教にいいのかな、とにわかに思ったため。
これが、しばらくピアノから遠ざかっていた者には、なかなか難しい。こんなの弾いてたんだっけ? でもこれってバイエルの次にやってた初級編のはず・・・ショパンとかベートーベンとか、ほんとに弾いていたんだろうか、自分。
と、驚くほど、指は動かないし、何しろヘ音記号が読めない。トホホ!
これじゃあ胎教にもならんだろうな、と思いながら、つっかえつっかえ練習。
我が子よ、母にピアノを教えてとか言うなよ、父にベースを習いたまえよ。

てな調子で午前中が終わり、午後は出かけたりDVDを観たり読書などして過ごしている。
昨日は「ツーリスト」という映画を観た。ジョニーデップかっこよい。ベニスがきれい。ストーリーは、まあまあ。

晩は両親と6時頃食事をして、いったん家の中で解散、各自好きなテレビなどを見たら、9時頃にまた食堂で集合。父は酒を飲み、私と母は果物やお菓子を食べてどうでもいい話をする。

来るべき子育て奮戦に向け、じりじりと体力と筋肉、および脂肪を蓄える毎日であります。


2011年7月25日月曜日

ブロンコビリーと海軍少佐

ブロンコビリーって、関東にもあるんだろうか。
と思っていまウェブサイトを見たら、ありました。でも足立区とか東久留米とか。都心にはないみたい。本社は名古屋、ステーキとハンバーグが中心のファミレス。

サラダバーと肉が食べたいと思って、久しぶりに母とランチをしに出かけてみた。
ここ10年は行ってなかったと思う。

日曜のお昼ということで、小さな子ども連れたファミリーで相当にぎわっていた。ベンチ席で立ち上がる子どもを押さえたり、床を這いずり回る子どもをなだめすかしたりしている親はみんな大変そうに見えた。それでも大音量のBGMと、反響する店内、広さにゆとりのあるテーブルセットと、なるほど、こういうところなら幼子を連れて来てもいいんだな、と改めて見回す。マカロニウエスタンからウエストコースト、はたまたブロードウェー風まで、いろんなテイストのポスターがあちこちに貼られて、しっちゃかめっちゃかでアメリカンな雰囲気が演出されていた。

サラダバーは昔よりも、総菜やデザートが増えていた。ご飯はかまど炊きが最近のウリらしい。
母はハンバーグを、私は170gのランチステーキを頼む。
ふくふくしいブロンコおじさん(そんな名前なのかどうか知らないけど)の顔が付いたステーキ皿に、控えめな肉の塊。付け合わせもこんなにシンプルだったっけ?


店の雰囲気はどえらいアメリカンなのに、使用している肉はオーストラリア産らしい。
やわらかかったし、安いから十分満足なんだけど、アメリカンビーフの方が好みの私としては、ちとガッカリ。とかいいつつ帰り際にお食事券を渡されて、母と「またこなきゃ」だって。

最近は、放射能まみれの藁問題で、国産の牛肉が危険視されているけど、一方で、牛肉を食することの健康価値が見直されているという情報も目につく。
Lカルニチンが脂肪燃焼にいいとか、60代を超えてから牛肉を食べる人は長生きしたり、ボケ封じになったりするとか。食肉協会の情報操作かしらんとも思いつつ。。

あ〜、ハワイへ行ってモートンズでお腹いっぱいステーキが食べたいな。子どもが1歳を過ぎたら、必ず行くぞ〜と誓いも新たに。

家に帰ってずるずると昼寝をしていたら、飲み友達のK・K君からメール。近くを通りかかるので夕方お茶でもしようとのこと。ヒマなので喜んで返事を返す。
実家の近所のどでかいコメダ珈琲店にジャガーで来てくれた彼は、東京からの仕事帰りで、アメリカ海軍の制服を着ていた。
聞けば海軍少佐になったんだって。スゴイ。
コメダの店内、古ぼけた床を踏みしめつつ、金色の刺繍が入った制帽を持った彼の後ろを歩いていると、なんだか自分が身ごもったオンリーにでもなったような気がした。

それにしても最近スピルバーグのthe Pacificという戦争ドラマを一気観したりしていたところだったから、米軍には興味津々。コメダ名物、壷のようなグラスに入ったミックスジュースを飲みながら、ぜひ私が鎌倉に帰ったら、横須賀基地を案内してほしいと頼み込んだ。

それにしてもなんだか疑似アメリカンテイストな一日だった。





2011年7月21日木曜日

よっちゃん家


このところ、連日、友達のお宅へ伺って夕飯をごちそうになっている。

昨日はライターのよっちゃんのお宅へお邪魔した。

料理人の旦那様が、イサキを焼いてくれた。
焼野菜まで添えてあって、フレンチみたいだった。ものすごくおいしかった!

先週、兄のお家にお邪魔した際に兄がつくってくれたアサリのおじやも激しくおいしかった、そういえば。

いろんなお家に、さまざまなおもてなしの形があるけど、こうやって感動できると、その都度本当に嬉しい。
食の感覚が合うかどうかは、夫婦関係もそうだけど、友達としても付き合いが長続きするポイントになるなあと思う。







2011年7月18日月曜日

夫の実家生活

この連休、夫の実家へ泊まりに行っていた。
実母が出かけていて、父と二人きりでいると喧嘩ばかりするので、逃げ出したような体。

夫の実家は私の実家から車で15分ほどの隣町にある。

昨日は、鎌倉で牛丼ばかり食べているという夫のために義母とたくさん料理を作り、パックして宅急便で送った。
父には「甘やかして」と言われたけど、べつに夫のためだけにやっているわけではない。
これから子どもを養っていく夫の健康管理は自分と子どもにとって大切だと思っているし、一緒に料理をすることで義母とコミュニケーションもはかれる。調理自体、いい気晴らしにもなった。

その晩は送ったメニューの残りと夏野菜で夕食。
手前の白いものは湯葉入りの豆腐で、近くのスーパーで売っている人気商品。何も調味料をつけなくてもおいしい。真ん中は義母が煮た玉こんにゃく。奥は私が煮たかぼちゃ。あとはポテトサラダに青菜の煮浸し、マグロのタルタルなど。
義母は専業主婦なので料理はうまいし栄養のバランスを考えるのが得意だ。


さんざん食べ散らかした後は、義父がお皿を洗ってくれる。
私はソファに足を投げ出してくつろぐ。
つくづく幸せな嫁だなあ、と思う。お義父さん、お義母さん、ありがとう。。


今日は夕方実家に戻ってきて、父が借りてきたブルーレイで映画「ノルウェイの森」を鑑賞。
周囲で観た人がみんな酷評していたので、どんなにひどいのかと思ったら、え〜っとってもいい出来じゃないかと驚く。京都で過ごした大学生活を思い出した。
いい気分で観ていたら、途中から酔ったくれた父がやってきて「なんじゃ、このくそつまらん映画は、とろくさい、やらしいシーンばっかりやな〜、こんな刺激の強いもんを娘が見てどうする、おい!!」などと喚き立てる。私は「うるさい、妊婦に向かって刺激もくそもあるか!あっち行け!!」と激昂。

あ〜、もうイヤ。
しかし、ノルウェイの森、ほんとによかったです。


2011年7月16日土曜日

実家生活

帰省して10日ほどが経過した。

クリニックのマタニティヨガを受けたり、友達とごはんを食べたり、子育てグッズの買い物をしたりして、毎日それなりに暮れて行く。

そんななか、このあたりはやっぱ田舎だなあ、とつくづく思って撮った写真を2枚公開します。

①穴ぼこを直しています

そうですかぁ、穴ぼこを。
ぼこをねえ。

②玄関に野菜

両親と買い物に出かけて、戻ってきたら玄関がこんな状態になっていた。
家はどこにも鍵をかけていないので、親戚のおばさんが畑でとれたものをよくこうして置いていく。
三和土の上とか、せめて新聞紙の上にでも、置いてくれたらいいんだけど。
今日はなすとピーマンの味噌煮に決まりだな。トッピングにみょうがのスライス必須で。

それにしても、ついこの間まで毎日銀座で働いていたなんて信じられない今日このごろ。

そういうことを考えると、よく高村光太郎の「声」という詩を思い出す。
この詩おもしろいから下記に転載してみます。
都会暮らしと田舎暮らし、どちらがいいか拮抗する内容なんだけど、「わかる〜」という感じになる。
私の場合は、ド田舎というよりド郊外出身なので、ここまで極端に考えることもないのだけど。

***

止せ、止せ
みじんこ生活の都会が何だ
ピアノの鍵盤に腰かけた様な騒音と
固まりついたパレツト面の様な混濁と
その中で泥水を飲みながら
朝と晩に追われて
高ぶった神経に顫へながらも
レツテルを貼つた武具に身を固めて
道を行くその態は何だ
平原に来い
牛が居る
馬が居る
貴様一人や二人の生活には有り余る命の糧が地面から湧いて出る
透きとほつた空気の味を食べてみろ
そして静かに人間の生活といふものを考えろ
すべてを棄てて兎に角石狩の平原に来い

そんな隠退主義に耳をかすな
牛が居て、馬が居たら、どうするのだ
用心しろ
絵に画いた牛や馬は綺麗だが
生きた牛や馬は人間よりも不潔だぞ
命の糧は地面からばかり出るのぢやない
都会の路傍に堆く積んであるのを見ろ
そして人間の生活といふものを考へる前に
まづぢと翫味しようと試みろ

自然に向へ
人間を思ふよりも生きたものを先に思へ
自己の大国に主たれ
悪に背け

汝を生んだのは都会だ
都会が離れられると思ふか
人間は人間の為したことを尊重しろ
自然よりも人口に意味ある事を知れ
悪に面せよ
PARADIS ARTIFICIEL!

馬鹿
自ら害ふものよ

馬鹿
自ら卑しむるものよ

2011年7月10日日曜日

蛇が出た

今朝、出かけようと用意をしながら、ふと階段の下に置いてあるカーペット用の粘着ローラーを見ると、そこに蛇が巻き付いているではないか。

茶色い、小さな蛇が、粘着テープにくっついて離れられなくなっている。

首をもたげてこちらを見るけど、剥がしてやるわけにもいかず、仕方がないのでとりあえず取手ごと庭に放り投げた。

畑仕事をしていた親戚のおばさんがやってきて、「これはナントカ蛇だから食いつくよ」と脅す。
「春ちゃんは妊婦だで蛇は殺してかんよ。妊婦は何も殺していかん」と迷信めいたことも言う。そう言われてもどうしようもないしな〜。

おばさんが蛇がくっついたロールを木陰に運んだところまで確認して、とりあえず家を出た。
しかし家の中に蛇が出るってなんという・・・法事で先に出かけていた母親に抗議の電話をしたが「いい兆しに違いない」と煙に巻かれてしまった。

それはそうと今日は私が以前名古屋市で賞をいただいた短編小説を映画化したショートフィルムが映画館で上映されるとのことで、伏見のミニシアターまで出かけていったのだった。
今年の2月に発表上映会があって、名古屋市から呼ばれていたのだけど、行けなかったから、まだ観ていなかった。
どんな仕上がりなのかなと思っていたけど、すっかり忘れていた。
今日の映画館上映の情報は、たまたま親戚の女の子がチラシで発見して教えてくれたのだった。

ネットで調べたらyoutubeに予告編がアップされていた。
http://www.youtube.com/watch?v=aQB_tt7N8H0

※これで観られるのかな?
youtubeで「桜の街のドーナツショップ」と検索してみてください。

見覚えのある俳優さんが主演していて、びっくりした。

それで今日、映画館で初めて観たわけなんだけど、ずいぶん私が書いた原作とは内容の違うものになっていた。ミステリ仕立てみたいになってて、なんとも暗いトーン。
ま、映画ってそういうものなんだろう。
堀田あけみさんが「映画になるときは原作はお嫁に出すようなもので、あとはどうなるかはお任せだ」と言っていたけど、ほんとにそうなんだなと思った。

それにしても原作にはまったく書き入れていないけど、映画には小道具に出てくる佐藤春夫全集のなかから「美しい町」という小説がネタとして盛り込まれていて、私はその話が一番好きなのがどうしてわかったんだろう、とちょっと驚いた。

いずれにしても自分が生み出したものがこんなかたちで派生して違うものになっていくことはずいぶん面白い体験だと思った。
子どもを授かってからぱったりと創作意欲が途絶えているけど、そのうちまた何か書いてみようかなと思う。

家に帰ると法事から戻った母親と叔父たちもほどなくやってきて、みんなで麺を食べに行く。
私はエビの天ぷらとだしまきなどがのった冷やしきしめんを食べた。

庭に放置した蛇は父親が始末したようだけど、どうしたかは聞かないでおいた。
田舎の老人は残酷なことを平気でするから。







2011年7月9日土曜日

里帰り

先日から、里帰りしている。

いよいよ明日から里帰りだ、という日に、祖父が亡くなって、当日はそのまま中津川へ行くことになり、そこで一泊した。

昨年の12月、妊娠が発覚する直前に叔父(祖父の長男)が亡くなって、父と弟と同じようなツアーをしたことがあったので、このタイミングで祖父の死に際し、これから子どもを産み出す身としては、生と死と血縁の因果について、思いを馳せずにいられなかった。

祖父の家のお葬式は神道式で、妊婦はお腹に鏡を入れて出るようにと言われた。
こんなに突き出た腹に合う喪服もないので、ユニクロで黒のTシャツを買って、黒のチュニックを着て、黒いストッキングを履き、黒いサボで列席。黒ければその場になじむもんで、なんとかなったけど、カットソーなので腹の中に潜ませた鏡の形がくっきりと見えてしまった。

祖父の晩年は残念ながらちょっとボケてしまって、ちょいちょい家庭内事件を起こしたものだけど、最期は老衰で眠るように死んだとのことで、良かったんじゃないかな、と思う。長く煩って徘徊して・・・とかやってたら、本人も家族も気の毒だったろうから。

それにしても祭壇の写真はいい笑顔だった。
この人がいなければ私もお腹の子もいないんだなあ、と思う。
いとこも多くて、ざっと20人くらいおり、その子どもたちも含めると大変な親戚の数。これらすべて祖父から発生していると思うと、なんだか動物というよりも植物の繁殖的な感じがする。

通夜の後、おときがあって、イカ、タコを中心とした激しく塩辛いオードブルと、やけに甘い助六寿司が振る舞われて、ほとんど食べられなかったので、弟と二人でココスへ行った。

ココスには初めて入った。
弟はサーロインステーキを食べて、私はエビドリアを食べる。
食後にドリンクバーのカフェラテを飲みながら、私が鎌倉から持参したクッキーを二人で食べて、いろいろ話をした。
弟と二人きりで食事をしてじっくり話すなんてなかなかないことなので、楽しかった。

その日はホテルに泊まり、翌朝はバイキングの朝食。
葬儀の後、火葬場へ行って、またセレモニーホールに戻っておときのお弁当。
お弁当についてきた炊き込みご飯は、昔祖母が作ってくれたものと味が似ていた。あの炊き込みご飯は祖母のオリジナルかと思っていたけど、この集落全体の味付けなんだなと知る。
ふたたび火葬場に戻ってお骨拾い。焼却炉の周辺には独特のにおいが漂っていて、これが人の焼けたにおいなのかなと思う。祖父の骨はカッサカサになっていた。

弟の車で実家へ帰る道中は、疲れ果てて眠ってしまった。
実家に着いても、何も食べる気がしなくて、すいかだけ少し食べて寝る。

これでようやく里帰り生活が始まった。

検診に行ったら、子どもは2300gくらいになっていたが、私の体重は減っていた。看護師さんがほめてくれたけど、これから1ヶ月がいっきに増えるそうなので、気をひきしめねば。

「足が長くて骨格がしっかりしたお子さんです」と言われたが、誰に似ているんだろう。
それにしても「足が長い」という言葉にすっかり気をよくし、もはや佐藤タケルみたいな青年像がサーフィンを持って出かける様を思い浮かべてにやにやしてしまう。

おじいちゃん、さようなら。
おじいちゃんからのDNAを受け継ぐ子どもをこれから産んで、育てていきますので、お見守りください。