2010年12月9日木曜日

名古屋、中津川、京都、大阪

今週は月・火と名古屋、水は大阪出張の予定だったのが、なんとも見えざる力で思いがけない「ツアー」になってしまった。

このあいだの日曜日から実家に帰り、翌日は名古屋に出社したが、この日の朝、長患いしていた中津川の叔父が亡くなったと連絡があった。

叔父さんは17年前、45歳でくも膜下出血で倒れ、入退院を繰り返していたが、晩年はほとんど植物状態だった。叔父さんの末娘は、ものごころがついたころから叔父さんが寝たきりだったために、もの言わぬ弟のように思っていたと言っていた。確かに子どものころの彼女はいつも叔父さんのベッドの脇に居て、叔父さんをなでたりしていたっけと思い出す。
叔父さんは長男だったから、お嫁さんは、そのまま子育てと、私の祖父母の面倒を本家で見つづけてきた。子どもたちも巣立ってしまい、今は夫不在のアウェーな生活。しかも祖母は病気でワガママになってしまったし、祖父はボケかけ。女の人生とは、ああ、とつくづく思う。

ということで、通夜と葬式のために急きょ中津川へ行くことになった。
きょうだいである母は仕事を朝から休んで先に行き、私は父と弟とともに仕事後に追いかけることに。
弟が車を出してくれるというので、思いがけない3人の旅となった。
このメンツで行動するなんて、何年ぶりのことだか、もう思い出せない。なんだか変な気分で車に乗り込む。
途中で小バラがすいたとコンビニに寄り、弟はおにぎり2つ、メンチカツに午後の紅茶。私はゆで卵、おにぎり1つ、伊藤園の缶入り味噌汁。父はゲロ甘の菓子パン2個とジャンボフランクを買って、食べながら移動した。

母方の家の葬儀は神道で行われる。死者に捧げる祝詞、とか神主さんが高らかに読み上げる。お焼香のかわりに、榊を捧げる。このところこちらの家の葬式は出ていなかったので、見るものすべてが新鮮だった。

通夜の後の宴会は賑やかで、親族お疲れ会の趣。久しぶりに顔を合わせた親族と、話題はもっぱら私のダンナの事故のこと。どうだったの、よかったねえ、大変だったねえ。いや、大変だったけど、もう正直、あっという間に嵐が去ったみたいで、よくわからんのよ。云々。

それにしても納棺された叔父さんの顔は強烈だった。喉にずっと管を通していたため、口が閉じられなかったのだという。咆哮しているような顔で、かわいそうだった。
「あんな顔を見られるなら俺は見られたくない」
と父が言ったけど、その通りだと思った。
とにかく、ようやく楽になった叔父さん、ご冥福をお祈りします。

その晩は従妹の家に泊めてもらい、2時頃までビールを飲む。ふだん飲まない弟も飲んだ。
寒いので、こたつの周囲にふとんを出してもらって、父と弟、私の3人で円を描くように並んで寝た。

翌日は葬儀の前に、中津川の駅前にあるショッピングモールへ行き、すがきやでラーメン。
野菜たっぷりラーメンという、見慣れぬメニュー、よせばいいのに大盛りで注文。
タンメンみたいなかんじだった。でもすがきやのスープに野菜はあまり必要ないな。味がボケちゃう。
人の少ないフードコートで喪服の3人が麺をすする姿は、傍目にもずいぶんさみしいものだったろう。

葬儀の後、中津川から直接関西へ向かおうと思っていたのだけど、水曜日に予定されていた大阪の仕事が突然翌日に繰越になったので、また弟の車に乗って、実家に帰った。
晩は葬式でもらった仕出しの残りをつついてビールを飲む。

翌日再び名古屋で仕事をこなして、お昼は名古屋のライター、よっちゃんとイタリアンへ。
これがまた残念だった。前菜も長らくの作り置き、パスタは生クリームであえただけ、メインの海老は350円居酒屋のタパスみたいだった。デザートのパンナコッタもゼラチン多すぎ、ゴム風情。
「名古屋はおいしいとこないよ」
とよっちゃんが大きい声で言うもんだから、シーッとたしなめる。名古屋でグルメ記事書きまくっているあなたが言ったらリアルすぎるでしょう。不遜ながら、東京で仕事をするようになって、私も本当によくわかる、名古屋って鰻くらいしかうまいものない。
ダメだこりゃ、と地元を憂いて、京都へ向かった。

京都では、時間があれば和装小物でも見てまわろうと思っていたのだけど、結局日が暮れてから到着してしまったので、食事に出かけただけになってしまった。
出町柳のもつ鍋屋さんで、にんにくたっぷりの白味噌もつ鍋。だくだく汗かいた。やっぱにんにくだわ♪
そのあと、近所の小さなワインバーに連れていってもらって、ゴルゴンゾーラのチーズケーキやナッツを食べながらワインを飲む。京都って小ぢんまりとしたいいお店が多くてうらやましいなあ、名古屋とはえらい違いだ。東京よりも断然安いし、暮らしにお店がなじんでいるというか。

宿泊させてもらう五条新町の竹内家に帰って、3時すぎまで飲んだりしゃべったり。
翌日が仕事でなければいいのに、と時計をにらみつつ、ついつい楽しいので寝るタイミングを逸してしまう。
は~、人の家ってなんて楽しいんだろう。あ~去りがたし。

そしてようやく本日のこと、
眠気を押して、朝から心斎橋で撮影の立会いをし、昼前に終わったので、なんばまで商店街を一人ぶらぶら歩いてみる。
大阪には去年も来たけれど、ミナミを歩くのは、15年ぶりくらい。ほんとに久々。
それにしても、なんというか、えらいさびれはりましたなあ~。人も活気も少なくて、あ、人がたまっていると思うとアジアからの観光客。大学生のころはあんなに華やかに見えたこの街が・・・そうですか・・・。
気を取り直してリサーチしておいたお好み焼き店、法善寺近くの「美津の」へ。

たまたまカウンターが1席だけぽっかりあいていたので、スッと入れたけど、すぐに長蛇の列が。
なんつーラッキーをかみしめつつ、待ってましたの本場のてっぱん!!
おもむろにグラスビールを注文し、選んだのは冬季限定、牡蠣の山いも焼。
ワーオ!



粉がいっさい入っていないという、とってもやわらかいお好み焼きなのです。
ふわふわして、焼けた部分はもちもちして、ソースも甘すぎず、かすかにゆずの香りがして・・・
う、うまい・・・
あー、誰かと一緒に来ておればなあ・・・粉とそば入りのお好み焼きと焼きそばも注文したのに・・・
一人じゃ1メニューが関の山・・・
すると隣に座っていたおばさん4人組が私の食べているものに目を付けて、同じものを注文。
味わいながら、私に頷きかけてくる。私も無言で頷き返す。
おいしいわね。ハイ、おいしいです。
これぞ、おばはん同士のテレパシー。

今月中、また大阪入りすることになりそうなので、今度こそいろんなてっぱんメニューをくいだおれるぞ、と決意しながら、お店を後にし、新大阪で551の豚まんとシュウマイのセットをぬかりなく買って、新幹線に乗り込む。

しかし関西はおいしい。
わが街ながら、中部はあまりおいしくない。
東京に戻ると、「ただいま!愛するグルメタウンよ」と感慨深かった。

とにかく、数日間でいろんな人に会い、たくさんの話ができた。
壮絶なる2010年をしめくくるにふさわしい、師走のできごと。

2010年12月5日日曜日

クリスマスリース

大阪で子育てに専念している元同僚のマッチが、クリスマスリースを贈ってくれた。
ドライフルーツがもりもりの、ずっしりしたリース。いいにおいがする。



小さいツリーをようやく今日、出した。
今年はツリーなぞ出すことはないかもしれないと思っていたのだけど。

無事に1年が終わりそうで、改めて皆々様に感謝をしたいと思う今日このごろです。