2014年10月7日火曜日

友遠方より来る

台風が間近に迫って雨がそぼ降る日曜日。
遠くロンドンから、わが家にお客様がやってきた。

私の高校時代の親友ヨッシーと、そのご主人のGianni、1歳6ヶ月の愛娘Miaちゃん。
 Gianniはジェノバ出身の在英イタリア人。
ハーフのMiaちゃんの可愛らしさときたら・・・。

息子は1週間も前から、「ミヤちゃん来る?ミヤちゃん今日来る?」と確認してきた。
その度に元巨人軍宮本和知の真っ黒に焼けた顔を思い出してしまう私。
「ミヤじゃないよ、ミアだよ」と言って聞かせるが、最後までミヤちゃんミヤちゃんと呼んでいた。

 Gianniになついた息子。たのしかったね〜

到着初日は、鉄板焼きでおもてなし。
わが家の鉄板・鉄板焼きメニュー、長芋、はんぺん、油揚げ&チーズをすべて醤油で、
そしてイカをガーリックバターで焼いて、牛肉はおろしポン酢で。
Gianniは「おいしい」を「Beautiful」という。

子どもの大好きなさつまいもご飯を炊いたけど、Miaちゃんは甘い芋がイマイチお気に召さなかったみたいで、芋だけペッペと出していたww

Gianniは、故郷のジェノバの言葉、イタリア語、英語、日本語も少し話せる。
私たちは英語でやりとりをしたが、やっぱりダメね〜、聞いて理解はだいたいできるけど、ぱっと話したいことが出てこない。
それでも息子は私を見て「お母さん……英語しゃべってる」とリスペクト。
まあ、そんな感じで、しばらく勘違いしているがいいさ。

翌日は、台風18号が関東地方を直撃!
どんどん強くなる風雨……

ヨッシー一家は、長旅で疲れ、早めに床についたが、jet lagにやられたMiaちゃんは夜泣きしまくりだったようで、翌朝もゲッソリ。
こればかりはどうしてあげることもできないし、親はつらいよね……。

午前中は台風のせいで、家に缶詰になってしまった。
何をするわけでもなく、息子とMiaちゃんの遊びに付き合う我々。
Miaちゃんはまだ2歳にもなっていない幼子なのに、息子は同等の態度を要求。
Miaちゃんが息子のオモチャに触れば、
「ダメッ!!ボクのッ!!!」
と威嚇。
あまりに息子が 感じ悪いので、Miaちゃんもパパにくっついてばかり……
狭い空間なので、トホホ…なフンイキになってしまった。

Miaちゃんは言語を習得途中だし、息子はコミュニケーション能力を習得途中。
たまに仲良くなる瞬間はあれど、なかなか難しい。
でもこれって、兄妹っぽいな、と思って面白く眺めた。

 
 親指をチュパチュパ♪おしゃぶりタコが出来ていたMiaちゃんかわいい♡

 そのうち、一帯に避難勧告が出され、震え上がった私……
ロンドンから来たお客さんを連れて、小学校へ避難か、こりゃ〜!?
しかし、家の周辺にはあまり被害なく、水も下水へ流れている様子。
お隣さんと、目の前の道路が冠水しはじめたら行こう、と話して、しばらく様子を見た。

やがて雨もやみ、日が射してきた。
少し歩いて幹線道路を見に行き、これは大丈夫だろう、と判断したので、ゲストを乗せて車でスシローへ向かうことにした。

ところが、目指すスシローの前が冠水で入れず……
見れば、ジョナサンの前で車が水に浸かって動けなくなっている。
むむむ……
引き返して、仕方なく、最近オープンした、ママ友から評判の良くない「はま寿司」へ。
味は思ったほど悪くなかったけど、天ぷらは残念だった。
スシローに連れて行けなかったのが、無念……
いや、本当は回らないお寿司のほうが良かったかな?
でも、ロンドンの回転寿しはひどい、日本人がやっていない、と言っていたから、はま寿司でも満足してもらえたかな。
Gianniは歩き回りたがるMiaちゃんのお世話で、なかなか食べられず、お散歩へ出て行った。それを追いかける息子……すっかり2人の子どもの保育士さん状態だった。

その後、えのすいに連れていこうと思っていたが、はま寿司の帰りの車で息子が撃沈。
お昼寝に入ってしまったので、いったん帰宅。


うちの手入れの悪い芝に座ってゴキゲンのMiaちゃん。

休校で、暇をもてあましていた近所の子どもたちが、家の前で遊んでいたところへ、Miaちゃんも合流。
子どもたちは、間近に見る外国人に興奮。「ハロー!」などと言い、Gianniが名前をおぼえて呼ぶと、「外人サンに名前呼んでもらった!!」と喜んで親に話していた。
ギブミーチョコレイトの時代から、あまり進化していない日本……w

夕方には、ふと思い立って、茅ヶ崎にある竜泉寺の湯へ彼らを連れていった。
ところがこれが、大失敗……。

薄暗い脱衣場で、服を脱ぐところから火がついたMiaちゃんは、いやだいやだと絶叫。
お風呂に入っても、ず〜っと泣き叫んでいた……
そりゃそうだよね。ロンドンにこんなところないし、だいたい、みんなでお風呂に入るなんて習慣ないしね。
まだせめて明るい昼間だったら良かったかもしれないが……
泣いてひきつって吐くほどの抵抗を見せたMiaちゃん、散々な温泉デビューでありました……。

座敷の休憩室でGianniと合流。
Miaちゃんが泣き叫んでるの聞こえてた……でも僕自身はエンジョイしたよ!と言ってくれて、少しほっとした。

帰宅して、ふたたび鉄板焼きw
この日は、サムギョプサル風に豚肉を焼いたものと、お好み焼き。
ワインが大好きなヨッシーとGianni。気に入ってくれたかな。
夫も途中で仕事から帰ってきたので、みんなで食事をして、いろいろと話すことができた。イギリスの教育や、住宅事情など、何かと興味深かった。

その夜も、Miaちゃんの夜泣きが大変だった様子。
はやく日本時間に順応してくれますように!

子どもとの旅行は、やっぱり大変。
おっぱい飲んで寝ているだけの赤ちゃんのほうが、実はまだ楽だったりする。
でも、それもすべていい思い出になるものだ。
子どもが子どもでいる時間は、本当に短いね……とヨッシーと話した。

ヨッシーとは、10年ぶりくらいの再会だったのだけど、
何というか、彼女のふわふわとした空気感が、昔とまったく変わっていなくて、私はすごく気が楽だった。
右も左もわからないロンドンに、一人で乗り込んで、ことばと仕事を得て、結婚して、子どもを産む……考えただけで、すごい。
それを、「何となく、運が良かったからね…」と話すヨッシー。
きっと、いろんなことがあったんだろうと思う。

Gianniと2人で話す時間があり、そこで、ヨッシーがお産の後に助産師の不始末で大出血をして、一命を取り留めたと聞いた。
なんと、ヨッシー、死にかけてたんだ!?
本人に聞くと、「ああ、そうそう」と笑った。
ヨッシーって、そうだ、こういう人だったな、と思い出す。

私たちの高校は、はっきり言ってまったく面白くなかったけど、彼女と知り合えたことは、私にとって、素晴らしい財産だ。

私たちが高校生だった当時、ヨッシーのおじいさんが京都に住んでいた。
春休みに京都旅行をして、今出川にあったそのお家に泊めてもらった。
哲学の道なんか、歩いたっけ。バスに乗って中華料理を食べに行ったけれど、あれはどこだったのだろう。とにかく楽しい旅行だった。
私は、その旅行をきっかけに、京都の大学に進学することを決めたのだった。

ヨッシーがいなければ、京都には行かなかっただろうし、いまインドにいるGOにも知り合わず、ということは、夫とも知り合わず、息子にも会えていなかった…ということになる。
人の縁って不思議だな。


辻堂駅で記念撮影。息子「まったくもう、しょうがないな〜」のポーズ。なぜ!?

今日はマイジムだったので、これから京都へ向かうというヨッシー一家と辻堂駅で別れた。
車に乗るとすぐに寝てしまうMiaちゃんとは、お別れの挨拶ができなかった。
今度会うときには、きっといろんなことをおしゃべりしてくれるに違いない。
また会おうね、Miaちゃん。

彼女らと別れて、息子の手をひいて歩いていると、ふいに、ヨッシーと過ごした高校生の頃や、彼女が大学生だったときに東京で遊んだことなどを思い出して、なんとも感傷的な気分になった。
思わず涙がポロリ……

ところがそれを見た息子が
「オイ、おばさん、何泣いてるんだよ!」
なんて言うので、
「コノヤロー、誰がおばさんだよ!」
と鼻をすすりながら言うと、
「お母さんだよ」
と言うので、
「そうだよ、おばさんはすぐ泣くんだよ、うるさいな、クソガキ」
と言い返すと、
「うえーん ボクはクソガキじゃないよ〜」
とメソメソ。
何だか感傷的な気分が削がれてしまった。チッチッチッ。



マイジムの後、ドーナツ屋さんで。ハロウィンだね〜。

もう京都に着いて、何か食べているかな。
楽しい旅を続けてね、ヨッシー、Gianni、Miaちゃん!
今度は私たちが、ロンドンへ行くからね!
本当に、会えて嬉しかったよ!!またね!!