2016年9月27日火曜日

子連れフランス旅日記 <友遠方より来る 編>

Comment vas-tu?
私も息子も、元気に過ごしております。


 雨上がりの夕方、オーベルジュから見えた見事なダブルレインボー。 ちなみにフランス語で虹はラルカンシェル。

息子は苦手な食べ物があると異様に食べるのが遅い。

 日が暮れても食べ終わらない・・・。

いつものおじいさん(ミッシェル)も来て飲み始めたが、まだ終わらない食事。

長雨が上がると、少し暖かさが戻ってきたCamprieu。 
日本からはるばる、大学時代の親友F子とその娘M子が私たちに会いに来てくれた。
法律の仕事をするF子のバカンスは1週間。
オーベルジュの仲間たちが、「えええッ、1週間だけ!?」と驚いた。

フランス人のバカンスにかける情熱はすごい。
春、夏、冬と、通算2ヶ月以上は長い休みがあるんじゃないだろうか。そのために働くと言ってもいい。しかもあまり残業しない。毎日きちんと家族と夕飯を食べて、バカンスはどこかに長逗留してのんびりと過ごす。
日本は散りぢりに祝日があって、小刻みに休む。だから安近短なんて言葉があって、1泊2泊でちょいちょい旅行、渋滞に巻き込まれて疲れるだけ・・・。
フランスもいろいろ問題を抱えた国だけど、バカンスの取り方については本当に学ぶべきだと思う。

賞味5日ほどの滞在のために、ものすごく時間をかけて来てくれたF子とM子。
私は嬉々としてモンペリエまで車で迎えに行き、慣れ親しんだ田舎の村へご案内した。

オーベルジュで働くA子さんと、私とF子とは大学時代の友人。
F子母子は、A子さんの家に滞在して、毎晩一緒にご飯を食べ、ゆっくりとおしゃべりを楽しんだ。

夏は忙しかったA子さんも、秋は一息。
お休みを取ってくれて、一緒に近所をぶらぶら。
W君と息子は、いつも通りエコールに通い、夕方から一緒に行動するという毎日を過ごした。

3人の疑似きょうだい。楽しく遊んだね。


「 私も一緒に行きたいなあ・・・」もうすぐ4歳のM子。



私もそうだったのだけど、F子とA子さんの再会はおよそ15年ぶり。
「変わってないねえ!」

それでもやはり15年の間にはいろいろなことがあって、毎晩、遅くまで3人で話し込んだ。
その傍らで、賑やかに遊ぶ子どもたち。

「次世代同士で遊ばせられるとは思わなかったねえ」

子どもたちの様子を眺めながら、感慨深く昔を振り返った。

A子さんは3姉妹。
私たちが大学生の頃、A子さんたちは、京都の下鴨に小さな家を借り、姉妹で共同生活をしていた。姉妹それぞれの友達が出たり入ったり、それは賑やかな家だった。私も入り浸っていた一人で、卒業して地元に帰っても、休みのたびに京都に行って、その家に逗留しては、だらだらとおしゃべりをして過ごした。
姉妹には外国人の友達も多く、そこはまるで、バックパッカーが集う宿のサロンのようだった。

ある日、その家で、昼近くに起きて、ねぼけ眼で珈琲を飲んでいると、バイトへ行く前のA子さんが食パンにカマンベールチーズを一片乗せて、トースターで焼いてくれた。
それが美味しくて、わあ、まるでフランス人のようだなあ、なんて思ったものだ。

いつまでもヒッピーのようなムードが漂って、このまま永遠にそんな時間が続くんじゃないかと思われたそのサロンも、いつの間にかなくなった。

その後、A子さんはフランス人男性と結婚して、子どもを3人もうけた。
次女と三女もそれぞれ家庭を持ち、私もF子も遅くに子どもを得た。

そして今、こんな風に南フランスのど田舎で、お互いの子どもたちを遊ばせながら、またあの頃みたいにおしゃべりができるなんて。
あの頃には想像もできなかったけれど、 なかなかいい未来が待っていたんだな。

サロンに出入りしていたなかには、亡くなった友もいる。
彼女のことも、思い出す。
健康で生きていられることが、一番なんだな、と改めて思う。
 


M子、息子、Adam、W君、Louis。

ある日、エコールでは、自転車教室が行われた。

私も子どもの頃、小学校で、あったな〜、自転車教室!
手信号とかやらされて、級もあったりして。

小1からの自転車教室なのだけど、息子は自転車が得意ということで、特別に校舎外のレッスンに混ぜてもらった。村を一回りして、広場で自転車のテクニックの指導を受けたらしい。


 得意げな息子。

 ストライダーみたいな乗り物(木製)に乗って、追いかけるM子。


自転車教室の様子を、M子はずっと眺めていたらしい。
M子も一緒にエコールへ行けたら良かったなあ。バカンス1週間では、短すぎるか・・・。

うちの息子も、M子も、高齢出産の一人っ子同士。
ときにどうでもいいものに執着して(ゴミを拾って奪い合うとか・・)ぶつかり合い、面倒な喧嘩を繰り広げたが、W君や年下のLouis、近所の子どもたちとの交流が風通しを良くしてくれた。
「やっぱり長屋の子育てが一番いい」
F子とつくづくそう話した。
子どもが多ければ多いほど、大人も子どもも楽。大人は離れて眺めて、危なくなったら少し手助けをするだけでいい。
母子2人きりでは、煮詰まる。
3歳までは手元で育てたほうがいいとか、まったく、何を言っているんだろうと思う。

さて、F子たちが滞在中には、ニームかライヨールへ観光に行こうかと考えていたのだけど、移動が長いのも子どもには厳しいということで、結局村の近郊でのんびりと過ごした。

水曜日の小さな朝市。
ミヨーへのドライブ。
湖への散歩。

 村の中央に位置する広場には、高山植物が咲き乱れる。

 小さくけなげな花。なんという名前だろう。

そして、あっという間に、彼女らが帰る日がやって来た。

まだ薄暗い早朝、車に荷物を積んで、再びモンペリエへ。
この日は土曜日だったので、息子も連れて、ついでに観光をして戻ってくることにした。


トラムではしゃぐ2人。

2時間程のドライブを経て、またトラムに乗り、空港行きのバスが出発するPlace de l'Eulopeへ。
余裕を持って出たつもりだったけど、バス停に到着したのは、出発時刻の3分前。ギリギリだった・・・1時間に1本しかないバス、乗り過ごさなくて良かった。
彼女たちは、国内線でパリへ向かい、一泊してから、東京に帰って行った。
最後のパリでは、どんな過ごし方をしたのかな。また教えてね。


Antigoneと呼ばれる地域で、近代建築が有名。

2人を見送ると、私と息子は、付近を散策。
モンペリエはまだ気温が高く、秋の始まりの朝、という感じで、とても気持ちがよかった。

パン屋を発見。ちょっと遅い朝ご飯。

見た目はとても美味しそうなクロワッサン。でもMeyrueisのパン屋さんのほうが、美味しかったな。

しばらくぶらぶらしてから、再びトラムに乗り、水族館へ。

土曜日なのに、ずいぶんすいていた。

オディッセウムにある水族館は、入口が小さいので、たいしたことないのかな、と思ったが、ジャングル、宇宙、客船などなど、テーマパークのような造りのなかで魚を見せていくという、ユニークなものだった。

さほど大きな水槽もないけれど、工夫されていて、とっても楽しめた。

「こ、怖い」嵐に遭った船という設定で、床がグラグラ。息子びびりまくり。



南の島の熱帯魚を、ハイハイしながら眺める。

朝早く、2時間のドライブをした後だったので、熱帯魚の水槽の前で、私はすっかり眠くなってしまい、少しウトウト・・・。
熱帯魚って癒されるんだなあ。飼う人の気持ちが、初めてわかった。


タコのコーナーは広く、なぜか力が入っていた。

ランチは、海賊のテーマレストランへ。
フランスの子どもたちは、海賊が大好き。
「ピハーツ!!」
夏祭りで海賊のコスプレセットをゲットしたこともあって、息子も大喜び。


店内はグーニーズみたいな雰囲気だった。

中に入ると、子連れの家族がいっぱい。
注文をすると、コインをくれて、ガチャガチャができるようになっていた。
「おかあさん!バーミヤンみたいだね♡」
と息子。う、うん。バーミヤンって久しぶりに聞いた気がするよ・・・。



サーモンのサラダ。ガスパチョやパンもついて、お腹いっぱい。

息子はバーガー。

「いいなあ。オレもここでボンアニベルセルしたい・・・」

海賊風の衣装をまとったスタッフが、花火をさしたデザートを持ち、鐘をならして練り歩く。
あちらこちらのテーブルで、誕生日会が開催されていた。

私たちのテーブルのすぐ近くでも、ママ友と子どもたちの団体がパーティーをしていた。
山積みのプレゼントを奪い合うようにして、包み紙を破る子どもたち。
うらやむ視線を送る息子。
こういうの、子どもは嬉しいんだろうな。
ママたちはおしゃべりに夢中。
どこの国でも、同じなんだな、と思って眺めた。


海賊が人気って、やっぱりヨーロッパだなあ、と思う。



 「また来よう!」・・・お母さんは、もう、いいわ。

帰り道には、大きなブロカントの倉庫に寄った。
買い物が嫌いな息子だが、ブロカントを覗くのは、宝探しみたいで好きみたい。


とっても大きな倉庫。

古いフィルム用カメラを見つけた。

かわいい熊のぬいぐるみ。


そして、気がつけば、いよいよ私たちがこの村を離れる日も近づいてきた。

息子は今日も張り切ってエコールへ。
エコールへ行けるのもあと2日。
今日は、お昼にカレーをたっぷり作って、W君と息子に食べさせた。
残り少ない時間を、大切に過ごしてほしい。

私は、ここ数日、なんだか引き裂かれるような不思議な気持ちを持て余している。

友が来て、私が何をしにここまで来たのかがわかった気がしたのだった。

学生時代に過ごしたサロンに、ひととき、タイムスリップしに来た。

A子さんとF子と私だけだったけど、気分的には、あの頃の友達、みんながそこにいるようだった。

いつか息子も、若い頃の気持ちを辿る時が来る、
その時には、こんな風に、素晴らしい友達が隣にいますようにと祈る。

村の体育館でハンドボールをして帰ってきた息子たち。

2016年9月15日木曜日

子連れフランス旅日記 <セヴェンヌに秋が来る 編>


来たばかりの頃は、23時くらいに落ちていた太陽も、今や20時半には山の向こうに姿を隠すようになった。
毎日、カラリとした晴天が続いていたセヴェンヌにも、本格的な秋の訪れを告げる雨が降る。 先日は、暗いうちにピカリと光った雷で目が覚めた。横殴りの雨が、シャワーのように窓ガラスを流れる。


いつもは真っ青な空が、どんより。


山歩きのご一行様、無念のチェックアウト。



毎日喜んで自転車で幼稚園へ通っている息子を、この日ばかりは車で送迎。
「チェッ!自転車で行きたかったのになあ」
今週は、雨の予報。雨がやんだら、一段と涼しくなるのだろう。

雨が降らねば、シャンピニオンは育たない。
シャイニンオン〜♪じゃないよ、キノコだよ。←最近昭和ネタを入れないと気がすまない私

そう、そろそろ、キノコの季節。
オーベルジュにも、「セップが採れたよ」と大きなのが一つ、届いた。

 残念ながら虫食いのスカスカで食べられなかったけど・・早く食べてみたいセップ!

イタリアのポルチーニ、まったく同じではないのだろうけど、そんな感じのキノコみたい。
これから冬にかけて、オーベルジュにはセップの料理を求めるお客さんが押し寄せる。
私は・・・食べるタイミングがあるかなあ、あるといいなあ。ギリギリかなあ、と言われて、ドキドキしている。

それにしても、フランスの食材は美味しい。
なかでも、やっぱりパンがとびきり美味しい。

 皮パリパリ、中はふわふわ。ポルカというパン。起きるのが楽しみになる、フランスの朝食。



手作りの牛乳のコンフィチュール。バニラ風味の練乳というところ。


オーベルジュでは、季節の果物や、こうして牛乳、山羊の乳など、食材はほとんど余すところなく調理をする。
オーベルジュのオーナー、オレリアのパートナーPJは農家を営んでいるので、
残飯は、家畜のエサとなり、肥料となり、ふたたび野菜や卵、肉類に姿を変えて、オーベルジュに戻ってくる。
このサイクルは素晴らしいと思う。


オーベルジュのキッチンで働く仲間、モロッコがルーツのハリード(28)。冗談ばかり言っている陽気な元ヤン。



 キッチンでタルトシトロンをむさぼる息子。背中にあるのは、山羊の乳で作ったプリン。

いま、シーズンとかで、山羊の乳でいろんな料理を作っているのだけど、この乳がものすごく美味しい。なんだろう、牛乳とはまた違う、爽やかな香りがある。
これもまた日本では手に入らないだろうな〜。

食べ物というのは・・本当に、その土地で、旬を食べるから美味しいのだと、今回の旅でつくづく思う。
日本に帰ったら、秋の旬のものをたくさん食べたい。

今食べたいもの・・・

秋刀魚、鯖など青魚の塩焼きに大根おろし
寿司、刺身
餃子、ワンタン、中華そば
鍋もの
イタリアン
焼鳥
焼き肉
こんなところかな〜 まあ、日本ではいつも食べてるヤツを、いつものように食べたいということです。


あと、アリゴ(じゃがいも餅みたいな郷土料理)には入っているんだけど、ほとんど、ここではにんにくを食べない。
だから、にんにくの効いたアルデンテのスパゲッティーとかも、なかなか食べられないから、ひじょうに食べたい。
アイヨリソースなんかは、もっと海寄りのほうで食べているだろうけど、山では食べない、にんにく風味がする、と思ったら、パウダーを使ったりしている。 不思議だなあ。フレッシュなにんにく、食べたい。

あと、ひなびた居酒屋に行きたい。
昔、名古屋でよく行った大須や伏見の居酒屋みたいなとこ、空豆とかマグロのブツとか・・・洒落っ気のないつまみに、ジョッキで生ビールが飲みたい。


ちょっと話が反れてしまったけど、
山羊といえば、
この間、山羊の大群に遭遇した。



 2頭しか写ってないけど、大群だったのです。

週末にルビガンのMさん宅へ遊びに行った帰り、上り坂をウンウン走っていると、急に前から現われた山羊の群れ。
夏の間、高地へ上って草を食む山羊たちが、群れをなして公道を降りてくる風景は、まさにセヴェンヌ名物。ステッキのようなものを持って山羊を追い、伴走する人たちがいる。


どこかから拝借してきた写真だけど、こんな感じ。



イタリア語ぺらぺらのMさん。フランス語特訓中。

晴れて気持ちよかったルビガン再訪の模様は、Mさんのブログ「南仏ルヴィゴン 猫と自然のある暮らし」に詳しく書いてもらった!
Mさん、たくさん写真を撮ってくれてありがとうございました。
バーベキュー、本当に美味しかったな〜。


弟分、Louisと夕方のお散歩。

さて、オーベルジュに居候して、2ヶ月以上が経った。
異国、異文化であるこの新しい環境、そして息子にとっては、初めての他者との共同生活。
ここで、私は、子育てについて、改めて考えさせられている。

オーベルジュでは、オーナーの息子Louis(もうすぐ2歳)、お隣の小学生W君と一緒に過ごしているのだけど、年下のLouisには分け与えず、W君には何でもねだる、という、やっかいな次男坊的ポジションに納まってしまった。

息子はふだん、保育園から帰ると私と2人きりで夕飯を食べ、土日も家族3人で行動。そして、一人っ子の家族同士で遊ぶことが多い。
好きなものを好きなだけ食べ、自分だけのおもちゃで遊び、両親の愛情も独り占め。

だから、何かを分け合うとか、譲り合うということに、慣れていない。
性格はわりと穏やかなので、 これまであまり気にしたことはなかったのだけど、こうして相対視してみると、ものすごく勝手な面が多々あって、
ああ、そうか、今までも、これぞ一人っ子・・・という感じで見られていたのかな、と思った。
  
きょうだいの数は、その人に与えられた運命なんだから、一人っ子でも別にいいと思う。
しかし、今後、学校へ行くようになったり、多くの人々と接するとき、きょうだいで訓練したコミュニケーション術を生かせるメリットは大きい。


 
 「オレがとった木の実だ」とはじめは弟分に渡さなかったが、私に叱られてしぶしぶ与える息子。

幼いLouisに優しくしたかと思えば、おもちゃを奪って泣かせて、W君にこっぴどく叱られる。
こうして擬似的に三人兄弟として過ごしているところを眺めて、はじめはハラハラしたものの、今となれば、ああ、ここまで来た甲斐があった、良かったなあ、と考えている。

息子にとっては、言語よりも、こうしたコミュニケーションをおぼえることのほうが重要だ。遊んだり、喧嘩したりしている間に、言葉は後からついてくるという感じ。
私も、息子とLouisを一緒に見ているうちに覚えた言葉がいくつかある。

今回の旅で、フランス語ペラペラ・・・とまではいかないけれど、言葉に親しみ、フランスの食べ物、友達、自然が大好きになった息子。
これをきっかけに、世界中の人と、臆することなく交流できる人間になってほしいな、と思う。
きょうだいがいない分だけ、友達はいっぱい作るんだぞ!!


息子の荷物掛け。写真付き。嬉しいね。

毎晩、眠る前に、
「あ〜、早くエコール行きて〜な〜」
と言う息子。
何が楽しいのか聞いても全然教えてくれないが・・・楽しいなら、何より。

来週は、日本から友達が娘を連れてやって来る。
息子がお兄さんヅラをして地域を案内する様子を想像すると、つい笑えてしまう。

2016年9月8日木曜日

子連れフランス旅日記 <旅の必需品 編>

さりゅ〜♪

9月1日から、息子は地元のエコールへ通っている。
お隣のW君は6年生に進級。
毎朝、2人はそれぞれ自転車に乗って、徒歩5分のエコールへ走っていく。

夏期保育の賜物で、息子はすんなり(か、どうかはよくわからんけど)なじんだようで、毎朝嬉々として出かけていく。ほっと胸を撫で下ろして、見送る私。

自転車に乗って行くというのが、お兄さんになった気分でものすごく嬉しいみたい。

なんだか、ちょっと、大きくなったような気がする。 

息子を見送ると、オレリアが淹れてくれるカフェオレを飲んで、少し甘いものを食べる。
至福のひととき・・・。


バーカウンターに座って、みんなの会話を聞いている。ああ、全部わかったら楽しいだろうなあ。

フランス語は本当に難しい、というか、まあ、蓄積されている語彙が少ないというのが致命的。でも、少しずつ・・・慣れたころに、帰国だな〜こりゃ・・・。


土曜の朝は、近所で小さなマルシェが立つ。

 チーズやヨーグルトなど、新鮮な乳製品も。

 夏が終わり、短期バイトに来ていたセシルおばさんも、アルザスへ帰っていった。
 最後の日、ありがとう、と泣きながら抱きしめられ、もらい泣き。

 「また会おうね!」一期一会のオーベルジュ。

息子は、毎朝8時半ごろにオーベルジュを出て、12時すぎにいったん戻ってくる。
お昼ご飯を食べて、13時15分頃、ふたたびエコールへ走って行く。
夕方は、16時半頃帰ってくる。
「しゃべれるようになった? 毎日何してるの?」
「ぜんぜんフランス語わからない。サッカーやってる。楽しい」
そ、そうなんだ。まあ、いいか。
スポーツはいいね〜、言葉がいらなくて。

お休みの土日には、また近所の湖へピクニック。2人が食べているのはツナマヨおにぎり。


そんな感じで、息子も私も毎日の生活にリズムができて、とても快適な9月なのであった。



Wi-Fiのおかげで、ネット環境はまずまずなので(たまに切れる・・)、日本の友人たちとは頻繁に連絡をとっている。
「旅の携帯品について教えて」というリクエストがあったので、今回は、旅の必需品というタイトルで、お届けいたしますw

私の初めての海外旅行は、20歳のときに訪れたパリ。
誕生日は、確かパリで迎えた気がする。
高校時代の友達と3人で、フリーツアーみたいなので1週間、極寒のパリを歩いた。

あれから2@年。
いろんなところに旅をしてきたけど、 年々、旅に持って行くものは減っているような気がする。

まあ、今回のフランスも、文明国だから、必要なものはだいたい、揃う。

最低限必要なものって、結局、なんだろう、と思ったりする。
眼鏡くらいかな。ああ、そうだな、うん。

スキンケア。
パリのRさん宅でお世話になったときに使わせていただいて、気に入ったのがニベアの保湿化粧水。4ユーロくらいだけど、なかなかいい。
あとは、鉄板のニベア青缶。
アロエジェルは、スペインの薬局で買った。
kanebo フレッシェルのBBクリームは、ここ数年愛用中。
あとは日焼け止めくらいかな・・・
すごく乾くときは、これにアルガンオイルを足す程度。

若い頃はものすごく化粧品にお金をかけたものだけど、なんだろう、だんだん、いらなくなるんだな〜。でも、割と肌の調子はいい気がする。硬水が合うのかな。



 シンプルスキンケア。


髪には、いいやつ使ってる〜♡

シャンプーとトリートメントは、保育園のママ友、美容師のこてっちゃんが餞別にとくれたもの。もったいないので、一日おきに、安いのとテレコで使っている。

フランスは髪がバサバサになるよ、とよく聞くけど、このシャンプーがいいのか?私はあまり苦にならない。
それよりも白髪がね〜、トホホ。戻ったらすぐ、カラーするぞ〜(*_*)

洗濯グッズ。
この、洗濯はさみが付いたタイプ、フランスではほとんど見かけない。
だいたい、ロープ式になったものに、なんでもひっかけていく。靴下とか、だからよく行方不明になるんじゃないかな。
 
 持ってきてよかったもののひとつ。



そして必携はやはりコレ! マヌカハニー。
こちらに来て何度か風邪をひきかけたけど、マヌカハニー舐め舐め作戦でなんとかクリア。息子も病気知らず。
こどもクリニックで、事情を説明して、いろんな薬をたくさん処方してもらったが、今のところ一度も使っていない。
 
 朝晩、虫歯予防にもなるマヌカハニー。助かってる〜。

そして、携帯用の小さな目覚まし時計。
スマホがあるから、時間はわかるんだけど、部屋の定位置にあってほしいので、買って持ってきて正解だったと思う。


実家の近くのアピタで買った、フツーの時計。
 
 フランス語のテキスト。
「フランス語早わかり」は、私が大学生の頃から使っているテキスト。大学生の頃から使っていたのに、まったく頭に入っていないテキスト・・・。しかし、基本中の基本。何度か繰り返している。
あとは、「英語とフランス語どちらも話せる!」 これも、けっこう便利。
ラジオフランス語のテキスト、ポイントがまとまっていて、とても良いのだ。
旅行をする分には、これくらいで十分じゃないかと思うのだけど、生活するフランス語は、本当に難しい!! 帰国しても続けるぞ・・・。

 赤いのは、Aさんに借りた、動詞の活用表。


本は重いので、ほんの少しだけ持ってきた。

ゆみちゃんにいただいた一冊。ありがとう♡

アドラーの言葉集は、慣れない土地で過ごす私の、心の支えになってくれた。


な、なるほど、怒りっぽい私に染みてくる言葉だわ〜。

旅に持参する本は、こうして繰り返し読めるタイプのものがいい。ストーリーものは、すぐに終わってしまうから。

あとは、電子辞書に入っていた近代文学を、寝る前に読み直している。
漱石の小説は、いくつか読み直した。
40代になってから読み直すと、学生時代に読んだのとはまったく違う作品のように思える。 不思議だなあ。
漱石がロンドンで感じた孤独、ちょっとわかるような気がした。

さて、子連れ旅の必携品といえば、これ!
やっぱり除菌シート。


ここぞ!というときに、ちょぼちょぼ使っている・・・。

フランスって、本当に、なんだろう、不衛生というか、汚いトイレ、石鹸水のない手洗い場など、それらにもだいぶ慣れたしw、息子も神経質じゃないのだけど、ああ、あって良かった・・と思う瞬間がたびたび訪れる。
出し惜しんでいるので、今度日本から遊びにくる友達に持ってきてくれるようにお願いした。出し惜しむくらいだから、いらない、とも言えるのだろうけど。

食べ物編。
重宝するのは、創味のつゆ。
これに酢をまぜたり、お湯でのばして飲んだり、野菜や肉にかけたり、とにかく、なんでも創味のつゆがあれば、大丈夫。

お米は、南仏のカマログという産地のものを買って食べてみたけど、まあまあかな。

ただ、ここでは、レンジで炊く。そして、炊いたご飯は、数日ほったらかし、それでも食べるし、その際はふたたび温めるのだけど、え、そんなにレンジかけるの?っていうくらい、長く加熱している。わざと崩して食べるというか。
日本人の感覚とは、まったく違う。
パスタも、かなりぐずぐずだし、 なんだろう、アルデンテの感覚はないみたい。
 私は、鍋で炊くか、Aさんのお家の炊飯器を借りている。

今度くるときは、美味しいミルキークイーンを5キロくらい持ってこようと思う。
本当は10キロくらい持って来たいのだけど、何せ荷物の重量制限がなあ〜。

あ、日本の皆さん、すみません、今回、お土産に期待しないでください・・・
息子と2人なもので、帰りの荷物があまり持てないのであります。
そのかわり、私がこちらで習った料理をいろいろやりますので!!


しそにわかめ、でも思ったほど、和食に頼らずにやっていける。

以上、私の旅の必需品でした!!
えっ、これだけ? 自分でも呆れてしまったw

・・・・結局、人間、あんまり、モノはいらないんだなあ、と、つくづく思う、田舎暮らし。
私はユニクロの夏服を中心に、少しだけ持ってきたものを洗濯しては、重ね着したりして暮らしている。
持って来た息子のジーンズも、膝がすりきれて、見かねたAさんが モンペリエのH&Mで息子に新品のジーンズを買ってきてくれたw

いま、何か欲しいものはあるかと自分に問えば、うーん、特にない。

窓から、大きく広がった空の下に、緑が見える。
雲が流れて、こうして、自然をぼんやりと眺めていることに、ものすごく幸せを感じる。

フランス生活も残すところ1ヶ月を切った。

都会へ戻れば、きっと物欲も戻ってくるのだろうけど、今はこののんびりした暮らしを楽しんでいようと思う。




 夜のお友・・箱ワイン。息子を相手に一人でちびちび・・・。