ユーロスターは、国際駅セント・パンクラスに到着♪
ハリーポッターが大好きな息子。
「ここはハリーポッターに出てくる駅だよ!」と言うと、萌えた表情。
そう言いつつ、私はハリーポッターにあんまり興味がないので、聞きかじりの情報。
もっと調べてから来てあげればよかったな。キングスクロスっていう駅は、ハリポタショップがあるらしい。そこにも行けばよかった。
これがハリポタのどこにどう出てくるのかよくわかっていない母。
パンクラスってなんだか忘れられない名前。
セントパンクラスに到着すると、高校時代の親友Y、その夫のG、娘のMちゃんが家族で待ていてくれた。
Yは大学を卒業後渡英し、ビザ関係の会社に就職し、結婚して、そのままロンドンに居着いてしまった。
夫のGはイタリア・ジェノバの出身。Yよりかなり年上なのだけど、とっても若々しく、パワフルな男性。木工造形などを手がけるアーティストだ。
Mちゃんは、息子よりひとつ年下のかわいい女の子。日本語も英語も堪能。いいなあハーフ・・・。
私がこれまでイギリスにあまり興味がなかった理由はただひとつ。
食事に期待ができないということだった。
最近は美味しくなったという噂も聞くし、去年、友人がしていたイギリス旅行のブログなんかを読むと、とっても美味しそう。
事前にYに、メールで「ロンドンで行きたいところある?」と聞かれて、
「美味しいお店に連れていって」と返したら、
「難しいね」と戻ってきて、ちょっとひるんだけど、グルメなイタリア人夫が連れていってくれる店ならきっと大丈夫かな、とワクワクしていた。
出会ったとたん、はしゃいで遊びはじめる息子とMちゃん。
運良く、駅から出ると輝かしい陽光。運河も芝生もそれは美しく、
「ロンドンってなんてきれいな街なんだろう」
私も息子もウットリ。
かわいい船のブックショップ。
跳ね回る息子。
お正月に一度会っているので、すぐに打ち解けた。
さっそくランチに連れて行ってもらったのは、駅から15分ほど歩いたオフィスビルの1Fに入っていたグリークレストラン。
「何を飲む?」と聞かれて、スパークリングワインがいい、と答えると、
「ギリシャのスパークリングはイマイチだよ」とG。
Gは現在、あまりお酒を飲まないのだけど、たぶんこれまで相当飲んで来たんだろうなあ、ワインの知識がとっても深い。
無難にドライなマスカットをボトルで頼んで、お食事スタート♪
白身魚のハーブグリル。シンプルで美味しかった。
これ、なんだったかなあ、ジャガイモとタマネギ。付け合わせだね。
手長海老のグリル。
これ、けっこう美味しかった!ラムのロースト。ソースはクタクタになるまで煮込んだオクラのトマトソース。
キッズには塗り絵を出してくれて、子連れにはありがたいお店。
はて、怖れていたほど不味くもないじゃないか!
そりゃあ、ハワイや日本で食べるギリシャ料理のほうが美味しいけど、十分満足できる内容。
「遠くから来てくれたから」とごちそうしてくれるY。
本当にありがとう。
その後は名物の二階建てバスに乗り、ロンドン市内をぶらり観光。
地図さえ見ずに来た私たち。地元の人に案内されるのが一番ありがたいね。
若い頃は穴があくまで地図を見て旅をしたものだけど、いまやGoogleのおかげで、すっかり手抜き旅行をするようになってしまった。
カメラをいじるのが大好きな息子。
Mちゃんを激写する息子。
息子が撮ったMちゃん。ボケ気味だけど、いいんじゃないかい。
初めてのロンドンバス。嬉しいねえ!
トラファルガー広場でライオンキングの旗をもらったよ。
三越の10倍はあるライオン!のぼろうとがんばるキッズ。
ナショナルギャラリーは入場無料。素晴らしいなあ。
ゴッホ、スーラ、フェルメール! 名作をタダで見物して、ホクホクの私。
ゴッホのひまわりが並ばずに見られるなんて、これだけでもロンドンに来た甲斐があるというもの。
それから、息子が見たいと言っていたビッグ・ベンの周辺を見学に。
すると、衛兵の交代に遭遇♪
人ごみをかきわけ、前に陣取る背の低い日本人とキッズ。
厳粛な雰囲気のなか、儀式はすすみ・・・が、衛兵の一人がサーベルを鞘に納めそこねて大失敗。
ドリフみたいな交代風景でありました。
大人の失敗にポカンとするキッズ。
ロンドン散歩をしている間、何度も雨は降ったり止んだり。
これが漱石先生も言っておられたロンドンの天気かあ。
到着時の晴天が嘘のように、雨雲が広がっては薄くなり、たまに日差しが戻ってきたりする。
それでも、ところどころにある公園が美しくて、のびのびと遊び回る息子たち。
少々の雨では傘もささず、駆け回っていた。
改修工事中のビッグベンの前で側転。
かわいいポーズをきめる二人。
テムズ川とビッグベン。やっぱりきれいだね。
途中、トイレ休憩をして、スナックタイム。
売店で買ったヨーグルト、とっても濃厚で美味しかった。
やっぱり乳製品は美味しい。
たっぷり入ったヨーグルトを、二人ともぺろり。よく歩いたもんね。
この日、けっこう寒いんだけど、上着を着ない息子。
この日は、ひたすら歩き回って、公園ではしゃぐキッズ。
ダラダラと歩きながら、おしゃべりする私たち。
歩いたルートはわかるけど(そう、東西南北をつねに意識している、私は歩くGPS)、何を見たのかよくわからないまま、あっという間に夕方。
晩ご飯は、人気のパブへ連れて行ってもらった。
イギリスといえば、パブだもんね!
この日は金曜日。
仕事帰りのおしゃれなホワイトカラー(死語;)たちでごった返していた。
こういうとき、ニューヨークの人らのことをニューヨーカーとかっていうけど、ロンドンの人のことなんていうんだろう? ロンドナー?きいたことないな。まあいいや。
ものすごい盛り上がりっぷりで、おしゃべりするのが大変なくらい店内はうるさかった。
あらかじめGが予約していてくれたので、奥のテーブル席へ。
フィッシュ&チップス。さすがにカリッと揚がっていて、美味しかった。
何を見てたんだっけなあ。何かおもちゃかな?
ランチがけっこう重かったので、ビールも2杯くらいと、おつまみを少しだけ食べて、そろそろキッズもお眠むの時間に。
タクシーで駅まで行って、Yが暮らす郊外の街まで、特急列車に乗って帰った。
Yが暮らすのは、Ashfordという、ロンドンから南へ特急列車で1時間くらいの街。
日本で言ったら、どうだろう、東京駅から小田原駅くらいの距離かな。
ほどよく田舎で、静かな暮らしをしながら、特急で座ってロンドンへ通えるので楽なんだとYは言っていた。
うちも例に漏れず、やっぱり、みんな、年齢を重ねると、暮らしに自然とゆとりを求めるんだなあ。
3階建てで、ラブリーなお庭のある素敵なお家だった。
カメラの充電が切れてしまって、写真が撮れなかったのが残念。
キッズはすぐに寝てしまい、私とYはゆっくりと赤ワインを飲んだ。
見た目と香りはいいのに、まったく味のしないイチゴをつまみながら、いろんな話をした。
単身ロンドンにやって来て、家族をつくって、家を買って。すごいなあ。
高校生の頃から天然キャラで、のんびりしていたY。
まさかハーフの娘を産むとはね、人生って不思議だね、と話した。
女の人生は、本当にどう転ぶかわからない。
思い返しても、すごくいい夜だった。
弾丸だったけど、ロンドンに行って良かったなあと思う。
翌朝は、Gがサンドイッチを作ってくれた!
デニッシュとジュースで朝ご飯の二人。
ピアノの練習もさせてもらった。
翌日はゆっくり朝ご飯を食べて、ふたたびロンドンへ出発。
Ashfordはユーロスターが停まる国際駅なんだけど、なぜかここから乗るチケットは安く買えなかったため、いったんロンドンへ出て、買い物をしてからパリへ戻ることにしていた。
Yの家のそばにある公園。
駅まで続く、のどかな散歩道。また行きたいなあ。
駅に到着すると、2つ先のホームで、張り切ってフィットネスをしているおばさんを発見! 飛んだり跳ねたり、大きな体をぶるんぶるん震わせてがんばっている。
見つけた息子たちも、一緒にフィットネス!
ピンクのおばさん。見られていることを知ってかしらずか、激しくフィットネスしていた。
おばさんの真似をして踊りまくる息子。同じホームにいる人たち大爆笑。
そうこうしている間に列車が到着。乗り込みます!
向かい合わせの席で、ゆったりと。
ロンドンでは、ハロッズに潜入。
初めてのハロッズ、こんなデパートに来たの、私も初めて!
ゴージャスすぎやろ〜!!
新宿の伊勢丹ってここの真似したんだなあ、と思った。
吊り下げる場所はないけど、欲しいなあ、このシャンデリア。
全部スワロフスキーですのよ!フライングカーペット。ダサいキッズ。
この冷蔵庫もかっこよかったぁ〜!欲しい〜!
ランチは、V&A美術館のカフェテリアで。
時間があまりなかったから、カフェと、ミュージアムショップで買い物しただけなんだけど、ここももっとゆっくり見てみたかった!
カフェテリアのある棟に続く中庭には、小さな池が。
水に触るなと言われると触りたくなるキッズ。
すんばらしい建物の中で、なんとも凡庸な味わいのデリをいただきます。
なんだろう、味をつけわすれちゃってるのかな?全般的に、何を食べてるのかよくわからない、無味乾燥。
たまに日が差すと嬉しくて、人が集まってくる。
ゾンビごっこ?何でも楽しい二人。
ロンドンの印象。
徹底した形式美。
ミュージアムのような歴史的な建物も、地下鉄など新しいユニバーサルデザインも、それぞれにすごく洗練されていて、きめ細やかに正しく美しい。
いたるところに時計があって、生真面目なイメージ。
食事についても、表面的な美しさを追求しつつ、食材の芯に味を付けないという感じ。すべての食材の個性を抜いて、シンプルに表面だけ塩を振る。
フランスの友人Dさんは、「彼らは料理を知らない」と言ったけど、本当にそうかも。
というか、必要を感じないんだろうな。ずっとそれを食べてきたんだから。
R子さんは、「パリとロンドン足して2で割ってほしいわ〜。ロンドンみたいに綺麗な街並みで、美味しいものがあったらいいな!」と言っている。確かに、パリよりロンドンのほうが、清潔感があって綺麗よね。でも、ご飯は絶対パリだろうね。
別れを惜しむように、しっかりと手をつないで歩く二人。
ショートブレッドやチョコレート……イギリスのお土産もいくつか買えたところで、帰りのユーロスターに乗り込む時間に。YとMちゃんが、ふたたびセント・パンクラス駅まで送ってくれた。
ありがとう、ロンドン。また来るぜ!
たったの一泊だったのに、ずいぶん長く居たような気がした。
こうして書いてみると、たいして何もしていないし、どこにも行ってないんだけど、それはそれで良かった。
子どもは公園で寝転んだり走ったりできるだけで満足したようだった。
私も、懐かしい友達が幸せに暮らしているところにお邪魔できただけで幸せだった。
強いて言えば、アフタヌーンティーができなかったことが心残りかな。
Gの振る舞いイタリアンフルコースも、ぜひ食べてみたかった!
もう一泊できたら良かったのだけど。
でも、また、きっと来るから、そのときのお楽しみでいいね。
ありがとう、Y、G、Mちゃん。
ハロッズでものすごく美味しそうだったから買った高額なロブスターサンドも、ぜんぜん味がなかった。安い赤海老のほうがよっぽど美味しいよ……。