2016年8月7日日曜日

子連れフランス旅日記 <パリでケチャップ祭りだ編>


これでもう21時くらい。「夜中のコカは最高だな〜!」おいおい

ぼなぺてぃ〜!
毎日たくさん食べている母子です。

ある夜、Aさんが、 近くの美しい村へ、ディナーに連れて行ってくれた。
小さな池を擁した広い庭にいくつものテーブルが配された、その名もジャルダンというレストラン(だったかな・・)。素敵なんだな〜。これも気候がいいから成り立つ店。日本だったら、蚊がいっぱい、湿気ムンムン。5月と10月くらいしか繁盛しないだろう。
21時前に到着して、お客さんがワイワイしていた。

こちらの人は、本当に食事に時間をかける。
アペロ(食前酒の習慣というのか)に1時間。アントレ、メイン、デザートとカフェ。
このお店の人たちも、そんな感じで、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃしゃべりながら、ゆっくりとディナーを楽しんでいた。


私たちも、店を出たのは12時前。
息子は車の中ですっかり眠ってしまった。
もう、すっかり夜更かしっ子の息子。

10代の美女に囲まれて、嬉しそう。肩たたきをすると嘯いて、接触を試みる策士。

翌日からは、息子とふたりで、ぶらりパリへ。
オーベルジュが満室で、数日、また引っ越さねばならないということで、じゃあ、行ってみるか、と思いつきで決めた小旅行だった。

オーベルジュの前を朝10時に通りかかるバス(これが1日に1本しかないので、乗り過ごせないのだ〜!)に乗り、向かったのはLe Viganという村。山道をくねくね、遠回りしていくので、終点まで1時間半かかった。

息子はタダ、私は1,6ユーロ。安い。

「わ〜、バス楽しいね」とはじめは言っていた息子、すぐ酔いはじめた。私もちょっと苦しかった。



終点でバスを乗り換える。これも一日に1本だけのチャンス。ドキドキした。

息子撮影。

Le Viganでバスを乗り換え、モンペリエへ。これまた1時間半かかる。
オーベルジュのある村から、車なら2時間もかからないのだけど、バスの乗り継ぎで行くと、3時間超。なかなかの田舎っぷり・・・・。

ようやく、山をおりて、モンペリエに到着。
これが13時半。

長期の貧乏旅行なので、モンペリエーパリの移動は、バスを選択した。
直前に切符を取ると、TGVは高〜いのだ。
バスは、トラムのsabineという駅から、18時半の出発予定。
5時間、モンペリエで時間をつぶさねばならなかった。


トイレを借りるだけのつもりで寄ったマックで、無念の昼食。

だらだらランチし、モンペリエの中心街、コメディへ移動。


3ユーロも払って、あっという間に終わるカルーセルに乗る・・・。

涼しいCamprieuと違って、湿気こそないものの、モンペリエは暑かった。
荷物も重く、すぐにぜいぜい疲れてしまう私。
突然「う○ち」という息子、トイレを探しまわるが、公衆トイレの使い方がよくわからなくて、 あたふた。
「疲れた、抱っこして」
「はあ!?あんた赤ちゃんか!」
ぐずる息子に、私もキレ気味。

このままではやばい。
目の前にあった、汽車型のビークルに慌てて乗り込んだ。
これ、コメディ広場から周遊する、ヒストリカルガイドバス。 良かったわ〜。

「やっと座れるね」と息子も安堵。

「日本語のガイドがある!」喜んだのはむしろ私の方です。

モンペリエの古い町並み、そこに点在するおしゃれなお店。
凱旋門を通って街を抜けて、高台へ。
マップを見ながら、位置を確認。あのワインショップは、また行くぞ。ボールペンでチェック。
楽しかった!


とりあえずまた、公園へ。

ガイドバスを降り、公園で遊んでから、スーパーで買い出しをして、トラムに乗った。
も、の、す、ご、く、疲れていた。

sabineの駅で、Le Viganから一緒のバスに乗っていた黒人の母子に再会し、向こうから声をかけられた。
「Le Viganから一緒だったよね?」
みたいな感じだった。
「Oui! Oui! あなたもパリへ行くの?」
「そう、そう」
たぶん20代なんだろう、若いママと、2歳くらいの息子。
妹がパリに住んでいるので、会いに行く、と、たぶん、言っていた。
 長距離バスの最後部席に一緒に座った。


大好きな古代生物の図鑑が、旅の友。

長距離バスは、なかなか快適だった。
きれいだし、トイレはあるし、何しろ、息子がすぐに寝てくれた。
最後部席なので、彼は横たわって寝ることができた。
私は別の席に移動して、ゆっくりと本を読むことができた。

ゆっくりと本を読む時間なんて、なかなか取れないのだ。
何せ息子がずーーっと一緒。
保育園に預けているので、赤ちゃん以来、初めてこんなに毎日べったり過ごしているのだけど、まあ、それを目的に来たわけなんだけど・・・実際、キツい瞬間も多々。。

静かに寝息を立てる息子をちらちら見ながら、漱石の「明暗」を読み直す、パリへの旅。
なんで漱石かって、いまの電子辞書ってすごいな〜、日本の名作1000品とか入っている。近代文学LOVEな私としては、大変ありがたいシロモノなのであります。

バスは途中、4回ほど休憩をとる。
道連れとなった黒人ママが、「私があんたの子を見とくから、トイレいっておいで〜」と言ってくれたりして、ありがたかった。


 12時間をかけて、モンペリエからパリに到着!
息子は10時間ほど寝てくれたので、私もけっこう眠れて、ま、歯も顔も洗っていないけど、到着して、満足なのだった。だってモンペリエからパリまで3000円くらい。
息子は1800円くらいだったかな。


PAULのサンドウィッチをほおばる、サンラザール駅にて。

バスの停車場から、メトロに乗って、サンラザール駅へ。そこから電車に乗って、お友達のRさんのお宅へ向かった。どろどろで到着した私たちを快く迎え入れてくれたRさん。まずはシャワーをお借りして、すっきりサッパリ!

Rさんの息子F君は、うちの子と同い年。
ふたりはこの朝、初めて出会った。

F君はすぐに預かり保育へ出かけてしまったので、Rさん夫妻と、私と息子の4人で、パリへおしゃれランチへ出かけた。

日本人シェフと、日本人マダムのお店 Le Sot I'y Laisse。
とっても繁盛していた。




サーモンの前菜。

鴨、オレンジソース。

息子もなんとか立ち歩かずに、もった・・ホッ。。

帰宅し、F君も保育園から戻ってきた。
Rさん曰く、「Fは日本語はわかってるけど、あまり話さない」とのことだったので、セヴェンヌのW君と同じパターンなら、まあなんとかなるんじゃないかなあ、と構えていたのだが。
ふたりの相性はどうかな・・とちょっとドキドキ見守っていた母たち。

F君が、ものすごいハイテンションで日本語を駆使し、息子を迎え入れてくれた!!
「ボクハ!Sト!アソブ!!」
「えっ」
むしろ息子のほうが押され気味。
次第に息子もふだんの活気を取り戻し、ふたりでキャーキャー遊びはじめた。

Rさん宅のリビング。F君のおもちゃもなんだかオシャレ。

夕食は、毎晩、Rさんのお宅のきれいなお庭で。
気持ちよかったなあ。
Rさんのお家は、元オリーブ少女の夢がぎっしり詰まっていた。どの部屋もかわいくって、絵になる。いいなあ。写真を撮り忘れたので、また次回!!(*また行くの♪)


「ラフェット ケッチャップ!!」

F君はケチャップが大好き。
ケチャップ祭りだ!!と言い出すと、息子もつられてケチャップをもりもり。
「ケチャップ祭り♪ ケチャップ祭り♪」
毎晩、おにぎりやフリット、パスタなど、あらゆるものにふたりでケチャップをかけて喜んでいた・・・。


Rさんのご主人Dさんはフランス人。
これがなんだかうちのダンナに似た雰囲気で、聞けば仕事もライフライン系。
いわゆる「ひょろ眼鏡」で、私は勝手に安心感を抱いてしまった。
とっても優しくって、「明日は女子2人でどこか行ってきていいよ」。
ま、まじですか....!?

お言葉に甘えて、Rさんと街へ繰り出した。
私、今回、この旅で初めて息子と離れて、ゆっくりランチすることができたのだった!!




出かけたのは、これまた日本人シェフのお店。Blue Valentine。安心安全w


前菜。卵と野菜。美味しかった・・・何のソースだったか・・・

メイン、私は手前のアンコウにした。モチモチで絶品。

デザートがこれまた良かった・・・白い棒みたいなのは、チーズケーキアイスなのだ!


ブノワにいらっしゃったというシェフ。知り合いの知り合いだった。


ここも美味しかったなぁ〜。
オーベルジュの素朴なご飯はおいしいけど、たまにはこういう凝ったのもいいな。
東京っぽい料理だった。

Merciでショッピング♪何も買ってません・・・目の保養!

ああ、楽しかった、と帰宅すると、Rさんのご主人がディナーを用意してくれた。
お庭で鉄板焼き! 最高だった。

うちに来てくれたら、ザイグルで焼鳥パーティーしてお返ししますね・・・w

私たちがパリで女子散歩をしていた間、メンズは屋内パークで大暴れしていたらしい。
楽しそうな写真を見せてもらって、感謝の一日だった。



優しくてまじめなDさん。家族で日本に来たらうちにも寄って〜。

翌日は、みんなでパリ観光。
Bateau mouche という、セーヌ川の観光船に乗りに行った。

超美形のF君。見るたびウットリ。


対して・・・うちの息子は・・・こりゃ酷い。

出発します!!

何やら話し込むギャルソンたち。


息子はエッフェル塔を見て「東京タワーがここに!」と言ってたw


この観光船、日本語のアナウンスなかった。
中国語も韓国語もあるのに!
気付けば、見回しても日本人は私たちだけだった。
街でも、日本人に巡り会うことはあまりなかった。
あんなにいたのに、どこへいっちゃったんだろう、日本人。
やはりテロの影響が大きいのかな、と話した。
そういえばプーケットでも、日本人に会わなかった。
ニュースなんか見てると、海外渡航者が今年も最高人数になった、って聞くんだけど、みんなどこへ行っているのだろう。ハワイ、グアム、サイパン?台湾、ソウル?

いい思い出になったね!おのぼりさん!

に、しても。
この日、息子の反抗が半端なかった。

ちょっとしたことですぐに怒り、たしなめると拗ねて、みんなで歩いているのに立ち止まったりして、ものすごく扱いづらいことが何度かあった。

ふだんは穏やかで、あまりこうして怒ることがなかった息子。
待てよ、と私は思い直した。

フランスに来てから、私は、けっこう怒っていた。
特に、このパリへの道程では、慣れない街、交通機関、犯罪やテロなどの心配などなどあって、歩きながら、何かあるたびに息子を叱りつけていた。

だから、息子も、怒るんだな、と思った。

その夜、息子に言った。
「お母さんはもうあまり怒らないように努力するから、君も怒るのやめて」。
 息子はきょとんとしていた。

それでも、これしか手はないと思った。
私が怒るのをやめれば、きっと息子は穏やかに戻る。

翌日は、パリでお寿司を食べに連れて行ってもらった。
お寿司のあとは、パリ散策。
まあ、この日も何度かブリブリ怒っていた息子・・・。

久しぶりのお寿司に、アゲアゲの息子。


ルーブルに「わあ〜♪」

 夏のパリ、最高! 子供たちもたくさん遊んでいた。

 「お母さん、あれがいいと思うよ」お目が高い!買って〜!!

 私がデパートでお土産探しをするために、RさんはF君と共に、息子を先に家へ連れ帰ってくれた。これも本当にありがたかった。

 Rさん一家がいなかったら、私と息子が2人きりでパリでホテルに泊まって過ごしていたら・・・きっとお互いに、まったく楽しくなかったと思う。
私は気が抜けないし、息子はカリカリした私の波動を受けてイライラ。彼は買い物も大嫌いだし、何が楽しいのかパリ、という印象を持ったと思う。

F君と行ったエッフェル塔は、大好きになった。
もう東京タワーと間違えることはなさそうだ。
「Fは大好きな友達だ」「またFとエッフェル塔へ行く」と話している。

この日、モンペリエに帰るのも、深夜バスだった。
夕飯までごちそうになって、シャワーをさせてもらって、いざ、Rさんのお宅を後にする。
駅まで家族で見送ってくれた。

 F君にもらった手作りのピカチュウはちまきを付けたまま、電車に乗る。

帰りの深夜バスは、また別の会社の運行便。
発着場所も異なるので、地図を頭に叩き込み(Wi-Fiないので・・)、近くのホテルでトイレも済ませて、またバスに乗り込んだ。


 速攻、眠る息子。深夜バスいいわ〜。

帰りも、最後部席をキープ。
座席をあまり倒せないからか、フランスの人は敬遠するのだろうか。バスはけっこう混み合っていて、最後のほうに乗り込んだのに、そこは空いていた。

私もRさん宅でワインを飲んでいたので、すぐに眠った。
気がつくと、朝。モンペリエに到着したのは、6時半。

Camprieuに戻るバスは、12時半に1本だけ。
まだ6時間もあるのか・・・。

コメディまで移動して、カフェで朝ご飯。
それから少しブラブラして、美術館に入った。

 ファーブル美術館。見応えあった!

警備員の人が親切で、私が息子の名を呼ぶのを覚えて、「S!」と声をかけてくれる。荷物も預かってくれて、のんびりすることができた。
日曜日は無料なんだって。また来ようね、と話した。

 少し現代アートもあった。


なんとか時間をつぶして、ふたたびバスを乗り継いで3時間超の旅。
夕方、慣れ親しんだオーベルジュに到着した。

疲れているかと思いきや、息子はすぐにプールへ行きたい!と言う。
プールへ行って、ひと泳ぎさせて、早く寝るかと思えば、結局夜中まで起きていた。
ものすごい体力・・・。
私はすっかり、風邪をひいてしまった。

なかなかの強行軍で、疲れたけど、楽しかったなあ、パリ。
息子との付き合いかたを、ちょっと考えさせてくれた、小旅行だった。

いや、小じゃないか。移動距離、時間からしても、立派な旅だった。

Rさんご一家、本当にお世話になりました。
また、秋にお会いしましょう!!


0 件のコメント:

コメントを投稿