2016年8月22日月曜日

子連れフランス旅日記 <おめでとう!5歳の誕生日 編>

夫が帰国し、息子と2人きりで心細かった7月は、毎日がゆっくりと過ぎていった。
なんだか自分の居場所がしっかりと定まらず、果ては「私って誰だっけ」みたいな気持ちになっていたのだけど。

いま、8月も半ばを過ぎ、一日いちにちがあっという間に終わっていく。
息子も「セクワサ〜(何これ?)」とか「アトン!(待って!)」とか、自然に口から出るようになってきた。


 夏期保育の仲間たちと。少し離れて、寂しそうな表情の息子。

私は、オーベルジュのオーナー、オレリアに、時間があれば料理を教授していただく。
彼女の料理は本当においしい。
とても優しくって、なんでも教えてくれる。
なんでこんなに優しいんだろう、得体の知れない40代子持ちおばさんに。
まったく、私は友達運があるなあと思う。


豚肉のテリーヌ。日本で再現できるかな・・・。

それにしても、イタリアンに比べ、今やフレンチが日本であまり多くない理由は、やっぱり食材に理由があると思った。
質のいい乳製品や、ジビエの肉を多く使うフレンチを、日本で再現するのはとても難しい。
「寿司が高いのと一緒だね」
とフランスの人は言う。その通りだと思った。

それでも、せっかくいろいろ習っているのだから、何か日本でも作れるように、工夫してみよう。


短いセヴェンヌの夏が暮れて行く。
先日は、オーベルジュの前で、コンサートが開かれて、夜中まで賑やかだった。
コンサートと言っても、近所の素人のおじさんが、アコーディオンを弾いたり歌ったり、DJ的なことをしたり、一人何役もこなす。

日の高いうちから始まったのだけど、最初はおじいさんが一人で踊っているだけだった。

一人でもくもくと踊り続けるおじいさん。

やがて日が暮れると、大勢の人が集まってきた。

面白かったのは、なんだろう、日本の盆踊り的な?
特定の音楽が流れると、みんながわらわら出て来て、同じ踊りをする。
「子供の頃から踊ってるのよ〜」
と、言って、嬉しそうにみんな踊っていた。

いいものを見た、と思った。


 フォークダンスのような、なんだか不思議な踊りだった。

息子は、相変わらずプールにはまって、1日おきくらいに泳いでいる。
このMeyrueisの市民プールは、景観が素晴らしくて、私も気に入っている。
私は寒いからほとんど入らず、ビーチチェアを借りて、本を読んでいる。


 プールと山の景色が、とっても素敵。

8月から、オーベルジュでは、スタッフのアニヴェルセルが続く。
先日は、オーベルジュで生まれ育ったおばあちゃん、タティネットの89回目の誕生会。

89歳。すごいな。
一緒に暮らしているお姉さんは、92歳だったかな。
長生きして欲しい。とてもまっすぐで、潔癖で、優しいおばあちゃんなのだ。


 息子はケーキに夢中w

天気のいい日は、お昼や夕方に、ピクニックをする。
フランス人は、屋外で食事をするのが大好き。
日陰なら、気持ちがいい。
日本みたいに湿気はないし、蚊もいないし・・・そのかわり、恐ろしいほどハエはいる。

 ぱっと適当に、かごに食べ物をのせて、屋外へ。

息子が、コロニーで行ったという秘密の散歩道へ連れて行ってくれた。

 「行くぜ!タカ!」とは言わなかったw


 山道をどんどんのぼる。得意げだった。

 お気に入りのツナサンドをほおばる。



隠し撮り。


こんなふうに、毎日息子と遊ぶなんて、これまでなかったなあ。
近頃は、私にも息子にも余裕が生まれたのか、喧嘩も少なくなって来た。
喧嘩をするっていうことも、これまであまりなかったし(私が叱るだけだった)、それはそれでいい経験なのかなと思う。



そしてオーベルジュには、いろんなゲストが来ては、去る。
なかには、息子と遊んでくれる子供もいて、そういうときは、とても助かる。
たったの数日だけど、宿泊しているだけあって、意気投合すると早い。
 

モンペリエから遊びに来た、ローラとレオ姉弟には、とってもかわいがってもらった。

 別れがたい様子の息子。小さな出会いと別れを繰り返す、この旅。


「また会いたいなあ!」いい顔してるよ。


そんなバカンスを続けるうちに、いよいよ、息子の5回目の誕生日がやって来た。

ランチにはお好み焼きを作った。「美味しい〜♪」嬉しそうに食べた。

オレリアが、息子の大好きなショコラでケーキを2台も焼いてくれた。

 超美味しいフォンダンショコラ♪ ありがとう・・オレリア・・!

 息子の大好きな女子高生、まりんが運んでくれた。たぶん息子の初恋。

 嬉しい息子。


 花火があがっている!

 ろうそくを吹き消す。


甘いもの祭りだったね・・・!


 オーベルジュのみんなからいただいたプレゼント。

プレゼントには、ナイフがあった。
フランスでは、男の子は、小さい頃からナイフを携行するんだとか。ピクニックや、ちょっとしたDIYに使うらしい。
「すぐジャンボン(ハム)とか切れるでしょ♪」
と言っていたが、すごくフランスっぽい感覚だと思う。
そして、ナイフをプレゼントするということは、長い友情の祈念が込められているそう。
おもしろい!

息子も、大人になったような気分なのか、いただいて以来、何度も出しては眺めている。

ちなみに私も刃物が大好き。
血は争えないな・・・・。

そして、パリのお友達からも、プレゼントが届いた。

 息子が欲しがっていた、音の鳴るペン。

 嬉しいお手紙付き!

5歳から、こんなにワールドワイド。うらやましいぞ、息子よ!

この日は、また、村にサーカスがやって来た。
前回とは違うサーカスだけど、どうせ内容は一緒だろうな・・・。そうは思ったけど、誕生日なので、奮発して、連れて行った。

 さあ、始まります!

で、どうだったかといえば、これがびっくりするくらい、前に見たサーカスと似ていた。
組合でもあるのだろうか?
内容もさることながら、催行している夫婦の年齢、雰囲気、果ては子供の数まで!!

 悩殺衣装で張り切ってフラフープする嫁。

 母がフラフープしている間に泣き出したので近くに連れてこられたサーカス団の娘。


動物も、ヤギ、ラマ、馬。
何なんだろう。流しのサーカスのスタンダード?

で、やっぱりメインはコレ。
ピエロに扮する旦那の、椅子を使った雑技。



 またこれか・・この間の人よりは、筋肉がありそうだ。

ふと観客を見ると、あの人がいた。

 この人。

この写真再び。この黄色いTシャツのおじいさん。

オーベルジュの前で行われたコンサートで、一人で踊っていたおじいさんだ。
一人でサーカスを見に来ていた。
「おじいさん、キターーー」
息子も発見して嬉しそう。

ご満悦。

このおじさんの着ているやけにリアルな熊のTシャツが欲しい!!
サーカスはそっちのけで、そんなことを考えていた。

その晩は、息子と、息子の産まれたころの写真などを見て、いろいろと話をした。
あれから5年。
photo by 兄

こんな小さかった息子は、



こんなに大きくなりました。

まさか、5年後にフランスに来るとは・・・産んだときは思いもしなかったけど、息子が、連れて来てくれたんだと思う。
息子がいなかったら、こんな旅はきっとしなかった。



 Le viganのカフェで。


息子の誕生日の翌日は、Camprieuから車で1時間ほど南下したところにある村、Le viganへ。土曜日には、マルシェをしている。

オーベルジュにお食事に来てくれたことで知り合った日本人のMさんと、ランデブーなのだった。

 マルシェはあいにくのどしゃぶり・・・。

 何も見られなかった。また来るぞ!

雨がひどいので、マルシェ巡りもそこそこに、Mさんのお宅へお邪魔することに。

Mさんは、フランス人のご主人と2人暮らし。
この5月に、日本からこの村へやって来たという。
広い敷地に、小さな建築途中のお家。
ほぼ、キャンプのような生活をされていた。


 家の外にあるシャワー。ワイルド〜。


Mさんご夫妻。陽気な大阪人Mさんと、物静かなご主人。

着色料のすごい飴を食べた息子。


お家からの景色。晴れてたら最高。

雨上がりに、散歩へ。 すっかり夫妻になつく息子。

 「これみつけた!」しかし肌は黒いわ、唇は青いわ、何なの君。


 クイズ・・・この実は何でしょう? 答え:生の胡桃!!

60代を目前に、フランスの田舎に引っ越してきたMさんのお話は、本当に面白かった。
私より先輩の年齢なんだけど、なんだろう、ものすごいバイタリティ。
家はゆくゆく増築して、ゲストハウスにしたいと言っていた。楽しみだなあ。
それにしても・・・世界には、本当にいろんな人がいるものだ。
どこに住むのも何をするのも、自由だけど、やっぱり人の縁が重要だ。


 息子はすっかりこのお家が気に入って、翌日、快晴を確かめると、「おばちゃん家行こう!!」と言っていた。
Mさん、また近々お邪魔しますね。

9月からは、息子が現地の幼稚園に入るので、その前に小旅行。
明日から、バルセロナへ行ってみることにした。
モンペリエから、バルセロナはバスで4時間。パリよりもずいぶん近い。
サグラダファミリアや、フラメンコなどを予約して、準備も万端。
今回は、初めての民泊にも挑戦する。

次回、ぶらりバルセロナ編、お楽しみに〜!


































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