2016年8月12日金曜日

子連れフランス旅日記 <現地の夏期保育に入れてみた編>

リオ五輪、フランスでも連日放映中!
しかし・・・。
何せフランス人が出てるスポーツばかりが放映されるもので、先日は体操男子個人決勝を見ている途中、突然別のスポーツに切り替わってしまい、愕然とした。
仕方なくネットでテキスト速報やツイッターを追いかける。
奇跡的に鉄棒の直前から放映し出し、奇跡の逆転劇を目撃できたわけだけど・・・

しかしさ〜、オリンピックくらい、全種目、無料で世界中にネット配信すべきでしょうよ。
NHKの動画も、フランスでは「お住まいの地域では見られません」と来たもんだ。

いまも息子と錦織選手の試合が見たくてテレビの前にいるけど、同時間にフランス人選手の試合があるもんだから日本人の試合なんてもちろんやらない。
今宵もテキスト速報が頼り・・・。

さて、子連れフランス旅もあっという間に三分の一が経過。
早いような、長いような・・・。
フランス語の上達具合はゆっくりだけど、なるべく毎日しゃべるように頑張っている。

先日、最寄りの都会、モンペリエへまたまた出かけて行った。
もうすぐ誕生日を迎える息子に、誕生日プレゼントを買うためだった。

とりあえず、ランチ。
 適当に入ったので、座ってからベジタリアンの店だと気付く。
でも肉も魚もあるみたいで、ほっとしながら、ドリンクを注文。
息子はジュース、私はビール。
なんだかわからないけど、甘いフレイバービールだった。

 日陰は涼しくて気持ちがいい。この日もけっこう暑かった、かわいい街モンペリエ。


タラみたいな魚、スチームしてあるのだろう。チリ風味のトマトスープに、お米。

写真では伝わりづらいのだけど、ここ、本当に美味しかった。
息子ももりもり食べた。
夕飯もここに来よう!と決めた。

 この日はあまり喧嘩もせず、仲良く過ごした(と、思う)。


ショッピングモールに移動して、おもちゃ屋さんで、息子ご所望のスケートボードと肘あてなどを購入。
私はウインドウショッピング。特に欲しいものなし。

結局、今やショッピングモールって世界どこでも一緒なんだなと思う。
H&Mに、ZARA、MANGO。 どこで買っても一緒だし、だったら物価の安い日本が一番だ。
せっかくフランスに来たんだから、ここにしか売っていないものがほしい。
とくに、お目当てもないけど。

さっさとショッピングモールから引き上げて、ふたたび街の中心地へ。
ランチに寄ったレストランへ行ってみたけど、ディナーは19時半から。
こちらのディナーはだいたい、これくらいの時間から。みんな宵っ張りなんだよなあ。

ぶらぶらして、またウインドウショッピング。
ボンポワンがあって、半額セールをしていた。
半額で50ユーロのシャツをほしがる息子。
「春ぽんみたいなこのシャツが欲しい!」
「いらん!着てくとこない!」
店を出る。

レペットがあって、ふらり入る。
「わあ、お母さんこれが欲しい!」
すると息子が言った。
「いらん!履いてくとこない!!」
すごすごと店を出る。

やがて、小さなアウトレットワインショップを発見。
1本2ユーロから、高くても10ユーロくらい。地元の自然派ワインが中心。いいね!
若いお兄さんが、おすすめを教えてくれた。
いい店だ、また行くぞ! そのとき、写真など撮ります!!


まだ時間があったので、ぶらりとワインバーに入る。
地元ラングドックのワインがグラスで何種類も楽しめる、気軽なバー。

もう、ここでいいか、と、息子とそれぞれタルティーヌを頼んで、軽い夕飯。
楽しいモンペリエデートだった。

息子撮影。夫と違って、上手に私を撮るんだよね〜。あ、私の目線が息子に優しいのかw

 息子は持ち込みのコーラ。お店の人が、氷入りのグラスを出してくれる、優しいな。

 こんなお店が鎌倉にあったら流行るだろうな。私がやりたい、誰か資金出して。


 さて、タイトルの通り、この8月、息子を、現地の夏期保育にぶっこんでみた。

フランスでは、バカンスや仕事で不在になる両親のための預かり保育がある。「コロニー」と呼ばれ、さまざまなかたちで夏休みの子供たちを預かってくれる。
小学生のW君は、2週間の林間学校へ出かけた。

息子は、地元の小学校を拠点として、毎日村周辺で遊んだり、少し遠くへ出かけてアクティビティを楽しむタイプのコロニーに行くことになった。

8月の頭から2週間やっていたのだけど、終わりの1週間だけの参加。
ずっと私や大人たちと一緒にいて、W君も不在なので、息子は「フランスのお友達と遊びたい♪」とワクワクしていた。

1週間で、45ユーロ。
いや、これ、安いと思う。
1日45ユーロじゃないの?と目を疑った。
毎日、9時半から5時半まで。

「はじめはお友達の言葉がわからなくて、心細いかもしれないけど、しゃべれなくてもいいから、とにかくじっとみんなが話していることを聞きなさい。そしたら、少しずつわかってくるからね」
「うん、わかった」

ほんとにわかるのかいな、 無責任なこと言っちまったぜと思いつつ、
私のほうが、内心ドキドキしながら、初めてのコロニー参加へ出かけて行った。

3歳から、3年生くらいまでの子供が、10人くらい。
ま、これくらいの人数なら、圧倒されなくていいんじゃないかな、と思った。

息子、はじめは私の足の後ろに隠れて、恥ずかしそうにしていたが、インストラクターの先生2人に誘導されて、なんとか外遊びに参加。
その隙に、私はオーベルジュに帰って行った。
 
 テニスラケットのようなものを持って、遊び出した息子。「今だ!」と先生に帰宅を促されるw

 小学校の園庭。こぢんまりして、いい雰囲気。
 
まる一日なので、お弁当を持たせる。
天気がいい日は、だいたい外で食べるという。
初日はよくわからなくて時間もなかったので、ヌテラを塗ったパンと、シリアルバー、バナナ、水を持たせた。
すると帰りに、「あなたの息子は甘いものだけでランチはいいのか」と言われ、お手紙までもらってしまった・・・。
なんだ、意外とちゃんとしているではないかw


 翌日は、リエットとコルジェットをはさんだサンドイッチ、メロン、バナナを用意。オーベルジュのオーナーが、「フランスでピクニックといえばチップスは外せないわよ〜」と、渡してくれた。

その後は、毎日おにぎりを持たせている。
息子はツナマヨおにぎりが大好き。
牛肉の佃煮を作ろうとおもったが、赤身のブロック肉しかないので、なんだか鯨肉の佃煮みたいなものが出来上がったが、それをおにぎりにして持たせたところ、意外と好評だった。

2日目も、いやがることなく出かけて行った。
「午前中は、お母さんを求めて泣くこともあったけど、その後はサヴァだよ」と先生。
しめしめ。
久しぶりの解放感に、浮かれる私。
この気持ち・・・息子を保育園に初めて入れたときの感動がよみがえってきた。

息子がいない間、私はオーベルジュのお手伝い。
隣村のマルシェへ買い出しに出かけた。

きれいな街なんだよなあ、Meyrueis。

 もうすでに肌寒くて、ニットなどの露天に目がいってしまう。


 お目当ての魚屋さん。

山だけあって、魚が高い。
サーモンの切り身が2000円とか。マグロ5000円とか。

「高くてもいいから買って来て!」
そう言って頼んできたのは、オーベルジュで働くセシルおばさん。
マダガスカル出身、アルザス育ちのおばさんは、魚が大好き。


 「どや!うまいやろ!」日本語でいったらこんな感じかな。得意げに何度も確認してきたw

パリのレストランですこぶる美味しかったアンコウを見つけて、高かったけど買って帰る。
おばさんは、フリットとソテーを作ってくれた。
美味しかったなあ。



毎朝、バーでプチ・デジュネ。常連のおじさんたちがおしゃべりしている。

「ねえ、いつ学校お休みになる?」
息子がそう尋ねてきた。
「オレ、お母さんと一緒がいいよ」
コロニーも終盤になって、ようやく弱音をもらしてきた息子。
「なんで?お友達と遊ぶの楽しくないの?」
「楽しくないわけじゃないけどさ・・・」
「言葉がわからないから?」
「うん・・・」

まあ、そうだろな〜。
私だって、息子と離れている間、フランス語にまみれて、かなりきつい。
それでも、私にはAさんがいて、いつでも通訳してくれる。
息子には、そういう頼りの人がいないのだから。

「君は頑張ってるよ、お母さんは、君を尊敬しているよ」
「尊敬って何?」
「うん、まあ、すごいなって思ってるってことさ」
「ふーん」

わからないながらも、彼は少しずつフランス語の語彙を増やしつつある。
えっ、その言葉知ってたんだ、と驚くことが、たびたびある。
私とは、きっと全く違うアプローチでフランス語を習得しようとしている。このまま数ヶ月いたら、話せるようになるだろうな、と思った。

私は、暇な時間に、フランス語の勉強。
聞いているだけでは、やはりわからない。大人は、体系を理解したいと思ってしまう。文字で確認しないと、納得できない。
大学時代に使っていた文法の教科書を、繰り返し使っているけど、なかなか頭に入らない。その横から、オーベルジュの仲間が、「そんな言い方おかしいよ」と教科書の間違いを指摘してくれる。
やはり、生きた言葉と教科書は、違うんだなあ。
毎日、無料で教えてくれるフランス語の先生に囲まれて、私はとってもラッキーだ。


さて、息子。
オーベルジュでは泣き言を漏らしながらも、私に手を引かれてコロニーへ。
ぐずって「行きたくない」とかゴネたりはしない。
先生に引き渡すと、うつむいたまま、とぼとぼと歩いて行った。
「ドナドナドナ〜ドナ〜♪」
つい、口ずさむ私。

今日はバスに乗って、どこか遠くの公園へ連れて行ってもらったのだとか。


 迎えに行くと、バスから出て来た息子に遭遇。

 よく見えないけど、少し先の方を、女の子に手をひかれて歩いていた息子。

 「楽しかった!」と笑顔の息子。ホッ。

オーベルジュに帰る途中で、おやつ。ショコラのビスケット、コンポートと、フランスの定番おやつを毎日食べている。




教会を眺めながら。

特定の友達の話をするわけでもないし、まだまだ溶け込んではいないようだけど、何もわからないまま飛び込んだわりには、まずまずの出来じゃないだろうか。

「朝、泣いてたらね〜、先生にノーマルって言われたよ」

 「泣けるよね、それが普通だよね」
という意味だったのだろう。

それでも、「早く日本に帰りたい」とか、不思議と言わない。

住めば都とはよく言ったもので、彼はオーベルジュの中をわが家のように駆け回り、フランス語のテレビを見て、好きな物を好きなだけ食べ(すみません)、浴槽のないシャワーでささーっと体を洗い、眠くなったら自分のベッドに潜り込む。

子どもなりに、少しずつ居場所をかためようとして努力しているのだな、と思う。
言葉はあまりわからないけど、優しい人たちの笑顔に囲まれて、安心して暮らしている。

私も、ジェスチャーまじりに下ネタに参加したり、日々前進w
飲食店の厨房で話していることって、世界共通なんですね・・・。

夫はまめにスカイプをしてくれる。
息子の顔が見たいのだなあ。
さっきも朝5時に起きて、スカイプしてくれたけど、息子が寝ているとわかったら、早く切りたそうだった。
フン。
 

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