2017年10月9日月曜日

子連れフランス旅2017(2)男児とパリを歩くコツ。

記念すべき二十歳の誕生日、私はパリにいた。

って書いたらものすごくかっこいい感じだが、たまたま、旅行時期が重なっただけで、もう記憶もおぼろげ・・・。

生まれて初めての海外旅行。真冬のパリは、歩くのがツライくらい寒かった。
当時は便利なGoogleもないし、雑誌の切り抜きと地球の歩き方を握りしめ、暗い朝からパリの街をさまよったっけ・・・。

どこかのマルシェで買ったクスクスのサラダが酸っぱくて、
チーズも食べたことないから美味しいと思えず、
一緒に行った友達たちは下戸だったためファーストフードばかり入ることになり、なんだか不完全燃焼だった初めてのパリ。

ジャンゼリゼ通りで犬を連れたマダムにいきなり肩をなぐられ、度肝を抜かれたパリ。

地下鉄で黒人男性と白人男性が喧嘩になり、黒人男性がナイフを振り回したため車両の全員がその場で臥せて超びびったパリ。

おしゃれな写真が撮りたくて白黒フィルムを持ってあれこれ撮ったけど、あの写真はどこへ行っただろう。
何かお土産を買ったんだろうけど、何一つおぼえていない。

振り返ってみれば、あれから倍以上年を重ね、ずいぶんパリを楽しめるようになった。

大学時代を過ごした京都も、同じかんじで、正直、学生時代は好きになれなかった。
あれはやっぱり、お金がなかったせいだろう。

いまだってもちろん潤沢にお金を使えるわけではないけど、旅の知恵もつき、美味しいものを上手に食べるテクニックを持っている。
パリも京都も、大人になればなるほど、楽しい。

大学生は、リーズナブルにアジアへ行くように。


さて、それはそうと、今回の旅で、パリで過ごした数日間も楽しかったなあ。

子連れだったので、オトナな時間はあまり過ごせなかったけれど、それなりに子連れのパリブラを楽しむことができた。



R子さんと息子。SNCFに乗って、街へお出かけ。

 息子のご所望で凱旋門へ。C国の人ばっかり。

適度に涼しくて、歩きやすかったこの日。 


斉藤さんだぞ♪ 




本当はR子さんとステキなレストランでご飯をしたかったのだけど、息子が一緒なもんだから、ガレットのお店へ。

やっぱりフランスは、レストランに子連れという文化はあまりない。
子どもが小さいうちから、預けるなどして、きちんと時間をとって、オトナだけの食事を楽しむんだって。

日本はそのあたり、けっこう曖昧だよね。
よっぽど敷居の高い店には子どもは来ないけど、
え?ここに連れて来ちゃう?
って驚くことも、ままある。

私は、どちらかというと、子連れ外食はあまり好きではない。
これはまあ、みんな、そうだと思うけど。

周囲に迷惑をかけることを気にして、子どもにも窮屈な思いをさせるくらいなら、もう、家でいいか〜、となる。
子連れで行けるところに、おいしい店は少ないし。だからスシローやラーメン屋にしか連れていかない。

たまには夫に息子をあずけて、女友達と羽目を外すこともあるが、
この、子どもの面倒をみてくれるのが夫だけというところがネック。
たまには夫とふたりきりで、ディナーなどに行ったほうがいいんだろうな。
そのほうが、フランス人みたいにアツアツでいられるのかもしれない。

もはやアツアツになることはなさそうだが・・・。


子連れ旅は、どうしても一緒に外食する機会が増える。
そんななか、ガレット屋さんは、ありがたい存在だ。
甘いメニューが多いから子どもも嬉しいし、大人も飲めるから嬉しい。

この日もマレで人気のガレット屋さんBreizh Cafe(日本にも支店あり)へ行くと、子連れ客で大混雑。
隣のエピスリー(食品など売ってるショップ)へと言われたので、行ってみると、ワインやシードルが売られた店内に大テーブルがあって、そこで相席して食べられるようになっていた。


 フランスの果物はおいしい。ジュースも濃厚。これはいちごとキウイのネクター。

私とR子さんはシードル。 


生野菜とベーコンのガレット。美味しかったな。 

息子はランチのようなおやつのような。


キャラメルがたっぷりかかった甘いガレットを食べて、食後はハンドスピナーで暇をつぶしながら、息子もいい子にしていてくれた。



ポンピドゥ前の広場で駆け回る息子。 

「どこか行きたいところはある?」
と聞かれて、うーんとうなる。

別に行きたいところはないのが正直なところ。
ただブラブラと、街を歩いて、たまに酒を飲んでおいしいものが食べられたらいい・・・というのが、最近極端に物欲のなくなった私の旅。

あえて言うならば、息子が
「もう行こうよ〜」
とあまり言わないところ(笑)。

美術館やギャラリーも見たいけど、あまり行かないのは、ほんとにこれが原因。
息子の「もう行こう」「まだ行かないの?」というつまらなそうな言葉を聞くと、とことんやる気が半減してしまう。

これ、デートだと思って想像してみてください。
一緒にいるオトコが、自分が好きなものを見ている横で、つまらなそうにため息をついているところ。
嫌でしょう。

嫌なんですわ!!!

べつに子どもに合わせて行動したいわけでもないし、子どもの言いなりになるつもりもない。だけど、そのつまらなそうな態度を見ると、すべてが嫌になる。
だから、極力そうならないように動く。

子連れ旅って、こういうもんですよね。トホ。

せっかく一緒に歩いているんだから、なるべく子どもが退屈しないように、さらに自分も楽しめるように動こうと思うのだ。

そこへいくと、MERCIは、子連れでも楽しめるオシャレスポット。
新鮮なインテリアはいつ見ても刺激を受けるし、息子も欲しいものが見つかる。
何よりトイレがある。これは大きなポイント!

去年は赤かった500Cに、モノクロの迷彩柄シールが貼られていた。 

フランスでもお弁当流行中! このお弁当箱、買えばよかった・・・後悔。 

 キノコみたいなランプ、欲しいと息子が言った。私も欲しいわ!!

ここへ行ってもよかったかなあ。次回は必ず!

これ、息子じゃなくて、娘だったら、もう少し買い物とか楽しめるんだろうなあ。
男児は何しろ買い物が大嫌い。
雑貨くらいならつきあってくれるが、洋服ときたら「早く帰ろう!」の連呼。

今回、私の目的はインテリアやアートグッズを少し持ち帰るというものだったので、ポスターやイラストをいろいろ見たのだけど、それは息子も楽しんでくれたみたい。

少し店に入っては、広いところで走らせて、たまに甘いものやドリンクを与え、だましだまし続けるパリ散歩。

これもまた、いい思い出かな。

蔦がきれいな公園。 

台湾で買ったワオキツネザル帽子を愛用中。



日中は学校へ行っているフランソワとは、夕方から遊ぶことができる。
息子はフランソワが同い年にも関わらず、すでに小学生になっていることに、ずいぶん驚いていた。
「エッ。オレもフランスにあのままいたら、もう小学生になれたってわけ?!」
うん、まあ、そうだね。
きっとあの村の小学校なら、そのまま進級させてくれたことだろう・・・。




モロッコ料理、初体験。R子さん曰く、パリよりおいしい隠れた郊外の名店。


晩ご飯には、R子さん一家がご贔屓にしているモロッコ料理レストランへ連れていってもらった。

突き出しのオリーブ。ピリ辛でおいしかった。 

炊きたて(って言うのかな)のクスクス! 細かくて舌触りがいい。 


大根など根菜類がたっぷりの煮物。なんというか、エスニックおでん。 

おでんをクスクスの上にたっぷりと乗せて、まずは食べる。 

そこへ肉やソーセージがやってくる。ドカン。 

さらにそこへ肉団子を投入。 す、す、すっごいボリューム!と思っていたら、


さらに骨付き肉がドドーン!!! うわ〜、こりゃすごい。

フランスの人は、クスクスがお好き。
このモロッコ料理屋さん、本当に美味しかった。
いま振り返って、もう一度食べたい。
なめらかで香りのいいクスクス。
ダシがしっかり効いた野菜の煮込み。
ボリュームたっぷりのお肉たち。

食べても食べても減らないどころか増えていく皿の上。
さすがの私も途中でギブアップ。


息子はキッズメニュー。コーラ、チキンとフリット。数口食べたら、 

時差ボケのせいか・・すぐに撃沈!夫に似てどこででも寝られるんだな・・・。

車で連れて行ってもらったので、どこの何というお店かまったくわからなかったけど、素晴らしくおいしかった。

日本でも、おいしいモロッコ料理のお店があったら、誰か教えてください。


ロケットが旅客機として使われるようになったら、東京ニューヨーク間が30分くらいになるらしい。
リニアだってまだ走ってないんだから、私が生きている間に実用化されるかわからないけど、そんな高速移動が実現したら、
「今夜はパリでモロッコ料理食べよっか」
なんてことができるようになるのかな。

息子がオッサンになる頃には、どんな世界になっているんだろう。
オッサンになった息子とフランソワがパリでクスクスを食べているところを想像すると、ちょっと笑えるのだった。

続く

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