2016年7月16日土曜日

子連れフランス旅日記<出発編>

古い友人を頼って、もうすぐ5歳になる息子を連れ、南仏の田舎へ長期で旅に出ることにした。

本当は1年行きたかったのだけど、今はビザが難しい。とりあえず下見という感じで、行ってみることに決めて、ばたばたとパッキングしたのは前日。
詰めてみると、夏ということもあり、意外と荷物も少ないもので、 スーツケース2つ持つも、片方はスカスカしているほど。
本当に、こんなんでいいのかなあ、と思いながら、家族3人で、日曜の早朝に出発した。


「フランス、1時間で着く?」←東京にも着かないよw

 成田でも「もう着く?」着かないって。遠いから。

成田で荷物を預けるとき、片方のスーツケースが8kgの超過。
もうひとつのスーツケースに詰め替えるのも面倒なので、ヤマト運輸で段ボールを買って、息子の本や私の洋服などをボンボン入れて、息子名義でもう一つ荷物を作った。
これが、のちに、大変な目に遭うこととなる・・・(汗)。

今回のエアは、まさかのおそロシア航空、アエロフロート。
悪名高きこの飛行機を、私のフランス語のヴェロニク先生は、「サヴァ!」。なんでも、ストばっかりしているエアフラより、よっぽど安心できるんだって。

シェレメーチェボ空港まで、およそ10時間。
息子は、映画2本、ゲーム、パズルなどをして、いっこうに昼寝する気配なし。
到着30分前に眠りはじめ、モスクワでは機嫌最悪・・・・。

そういえば、モスクワ行きの機内で、「アーロと少年」を観ていた息子。
私は別の映画を観ていたので、ふと横を見ると、画面を見ながら号泣しているではないか。感受性が強いんだなあ・・・なんだか、この先が不安になる私。

モスクワでの滞在時間は1時間。トランジットは短くてありがたかったが、眠くてほぼ廃人の息子。が、がんばれ・・・

 先生の言う通り、悪くなかった、アエロフロート。機内食もまあまあ。ま、もちろんまずいけど。


パリに到着したのは20時くらい。
荷物を待っていると、ヤマト運輸の段ボール箱が流れてきた。
来た、来た、と思ってよく見ると、雑な私が作った箱とは、明らかに違う。ものすごくしっかりビニールテープで閉じてあり、そして、名前も、別人のもの。
「まさか・・・」
その、まさかであった。Keiko Watanabeと書かれたその段ボールを念のため引き取り、荷物が尽きるまで待っていたが、息子名義の段ボールは流れてこない。
「ケイコよ・・・持っていきよったな・・・」

いきなりのハプニングに、戸惑う私たち。
とりあえず、申告書には南仏で待つ友人の電話番号を記入して、歯がゆい思いで空港を出た。


 22時を過ぎてもまだ明るい、パリ。

空港内のホテルにしたら安心だったのだけど、値段は倍。
ケチ旅行なので、空港からナヴェットに乗って行くNovotelを予約してあった。
意外と慎重派の私、ホテルにメールをして、ナヴェットの乗り場もきちんと確認しておいた。おお、これだ、これだ、と、意気揚々と乗り込む私たち。

し、しかし、これが大間違い。
なんだか着かないな〜と思って、運転手にバウチャーを見せると、
「ノンノン!アナザーバス!!」
ええええ〜っっっ!?
なんで、私メールまでやりとりしたのに、嘘じゃん!?

運転手の言うままに降り、別のナヴェットを待つ。

 疲れはててよくわからん状態の息子。

「まだ着かないの・・・」
夫もあきれ顔。
「おかしいなあ、おかしいなあ」

で、あとから見たら、私、別の似た名前の系列ホテルにメールしてました。
ワハハ。
空港付近にはいくつもNovotelがありますので、皆さん、お気をつけください。ダッフンダ。

「いろいろあったなあ・・・」
当該ホテルに到着、憔悴しきった私と夫。時差ボケたかんじで、眠れるかなあ、と心配しつつも、その日はなんとか眠りについた。

 息子撮影、ホテル。ふつうに快適でした。

翌朝、少し早めに空港へ。
ひょっとして荷物が届いているかもしれない。何せ持ってった相手は日本人。
きっと届いているに違いない、そう信じて向かった。

空港では、アエロフロートのチェックインカウンターで聞くも、インフォメーションで聞くも、わからん、知らん、の連続。
方々たらい回しにされた末、途方に暮れる私。
しかし、荷物紛失の申告書の控えを出し、「あんたらがこれを私に書かせたんだから、これを扱う場所があるはずだろう!!」と何度も食い下がる私。
見かねて、通りかかった空港のインフォメーションの人が、「もう一つのインフォメーションに聞いてみようか?」と言って電話をしてくれた。

TGVの発車時刻まで、あと40分。
このとき、夫は息子と駅の近くで待機していた。
神よ・・・
祈りながら、電話の様子を待つ。

「ここから5分くらい歩いたとこにもう一つインフォメーションがあるから、行ってみて」
慌てて猛ダッシュ。ビーサンのペタペタした音が響き、皆が振り返る・・・。

目的の場所に到着すると、女性が、ああ、あんたね、という感じで、こっちこい、と、奥の部屋へ通してくれた。そこは、忘れ物センター的なところだった。
な、なぜ、すぐにここを案内してくれないのか!?
日本ではあり得ないこの対応。

「で、どこの飛行機?」
「アエロフロートだよ!!」
「証拠は?」
申告書の控えを見せる私。
「いや〜、ないね。届いてない」
よく読まずに、女性は言う。
「届いてたらまた連絡するわ」
「本当?緑と白の箱だよ?日本人が持っていったんだから、必ず届いていると思う」
「でもないし」
「もっとよく確認して!」
「ないったらない」
「本当に?」

もはやこれまでか・・・と思ったそのとき。
ふと視線を移すと、その女性のすぐ後ろに、 見覚えのあるヤマトの段ボール箱が・・・!
すっごく雑にガムテープでくくってある、あれは、私の荷物に間違いない。
「セサセサ!!!」
指をさして主張する私。
「はあ?」
って感じで振り返り、悪気もなく、名前を確認すると、
「はい、受け取りにサインして」

おいおい・・・!!
ないって言ったのアンタでしょう・・謝れよ・・・確認せずに「ない」って言ったことをよ・・・怒
日本語でおもいっきり目を見て言ってやったが、肩をすくめていた。
しかし、きっと意味は伝わったと思う。 

ともかく、カートに段ボールを載せ、TGVの駅へふたたび猛ダッシュ。
私の姿を認めると、大喜びで息子が飛び跳ねた。
どうだい、お母さんはスゴいだろう。
モンペリエ行きのTGV、発車時刻20分前のことだった。

TGVでモンペリエまでおよそ4時間。

プラットフォームへ降りるエレベーターが混み合い、段ボールの荷物をスーツケースに詰め込む暇もなかったので、仕方なくヤマトの箱を持ったままTGVに乗車。
ギリギリだったな〜。しかし、見つかってホントに良かった。

飛行機に比べて、席も広々、のどかな景色も楽しめるTGVは、なかなか快適。
車内の売店で、クロックムッシュを買って、軽いランチ。

ドリンクと、リンゴが付いていた、美味しかったね。

あっという間、でもなかったけど、まあ、そうこうしているうちに、モンペリエに到着した。

プラットフォームまで、友人Aさんの夫、Fが迎えに来てくれた。
Fはフランス人なんだけど、日本に8年ほど住んでいたので、日本語が達者。
ほっとしながら、車で目的地のセヴェンヌへ向かう。

想像以上に近代的な街、モンペリエ。暑かった!


モンペリエが都会的だったので、な〜んだ、けっこう街じゃん、などと思っていたが、車で約2時間。
そこには、スケールの大きな農耕風景が、パノラマで広がっていたのだった・・・!!


見渡す限り、こんなです。待たれよ次回!

















0 件のコメント:

コメントを投稿