日本もだんだん寒さが増してきた今日この頃。
旅の続き。
一年ぶりのカンプリユでは、優しい仲間に囲まれて、毎日のんびりと過ごすことができた。
STUDIOでくつろぐ父子。
朝は部屋で食べたり、オーベルジュへ行ったり。
去年お世話になった、息子の幼稚園へも、お土産を持って遊びに行った。
おにぎりせんべいとカントリーマアムを持参。食べてくれたかなあ?
去年一緒にシャワーを浴びていたルイちゃんが、もうエコールに通っていた。
去年一緒に遊んでいた友達は、みんな小学生クラスに上がり、授業中だったのでチビッコたちと記念撮影。去年担任をしてくれていたパトリシア先生と嬉しい再会。
カラフルに塗った石や貝をお土産に渡してくれた。
このエコールで、息子はアートをとっても楽しんでいた。
去年息子が描いた絵は、私の宝物だ。
いつも一緒だったW君は中学へ行ってしまった。ガランとしたロビー。
これは新設されたのかな?前からあったっけ?ケンケンパ。
門には、鉛筆みたいな飾りが追加されていた。
短い間だったけれど、息子がお世話になった幼稚園。
朝から夕方まで、保育園ばりに面倒を見てくれた。
ここは田舎すぎて、保育園やエコールの閉鎖危機もあって大変なのだけど、
基本的には、フランスは、女性にとって、働きながら育児をする環境を整えている国だ。
保育園落ちた日本死ね、みたいなことはないんだろう。
去年、よくみんなで話したのだけど、日本は育児と教育にお金がかかりすぎる。
これについて、フランス人はみんなビックリする。
バカンスも少なくて、教育にお金がかかって、日本人って大変ね、と言われた。
息子は、どんな将来を選ぶだろう。
何かを選ぶとき、ほんの少しでも、こうして家族とフランスで過ごしたことを思い返してくれたらいいなと思う。
もちろん、言葉も、みんなの名前も忘れていくだろうけど、遠く離れた地にも、自分を受け入れてくれた優しい人たちがいたことをおぼえていれば、未来にチャレンジするとき、勇気の足しになるような気がするのだ。
一年ぶりに訪れたMさんのお家。
さて、去年の夏、こちらでお友達になったMさんは、カンプリユから40分ほど車で下ったLe Viganという街に住んでいる。
またお家でバーベキューをしてくださるというので、家族とAさんとで出かけて行った。
「おばちゃん家!懐かしい!」
息子も大喜び。Mさんの飼い猫、べりちゃんと触れ合うのが息子の楽しみなのだ。
急斜面に建てられたMさんご夫婦のお家は、ご主人がDIYで改築を進めている。
室内には新しくキッチンも入り、快適になっていた。
寒くなるまでは、ベランダがダイニング。
この景色が何よりの贅沢!
各国デザインのマスタード、お土産に買って帰った。
美味しい豚肉!今年もありつけた。
このソーセージも絶品!ワインが進む私と夫。
初めて訪れた夫とAさんも、ベランダからの絶景にうっとり。
「こんな暮らし方があるんだなあ」
と、夫がぽつりつぶやいた。
「あらっ!田舎暮らししたくなっちゃった!?」
と聞くと、
「うん、これもありだなあと思う」。
フランスに暮らすことは難しいかもしれないけれど、老後は景色のいいところで、こぢんまりと、美味しいものを少しずつ食べながらのんびり過ごすのもいいねえ、と話した。
これはおいおい、考えていこうと思う。
食後は、山を下り、街までぶらぶらとお散歩へ。
野生のいちぢく!美味しかった!
息子もチャレンジ、いちぢく。
嬉しそうな父子。お父さんと来れて、良かったねえ。
街まで下りて行く山道の途中に、ラマがいるというので、見に行った。
はじめに会えたのは、ヤギ。
ヤギはすぐにやって来たが、ラマはなかなか現れない。
今日は来ないのかな、もう行こうか、と言っていたら、夫が口笛を吹いた。
すると、ガサガサッと音がして、二頭のラマ登場!!
夫の口笛に寄ってくるラマ。
えっ、来た!?
最後まで名残惜しそうな夫。夫は子どもと動物に好かれるレアキャラなのだ。
また山道を下って、Le Viganの中心地へ。
この日はお休みのところが多くて、ちょっと残念だった。
この街は、賑やかなマルシェも立つし、かわいい店もあって、楽しいのだけど。
ぶらぶら街歩き。
このワイン屋さん、何度か買い物に来たなあ!
楽しい日だった。Mさん、ジルさん、本当にありがとう。
またあのベランダで美味しいバーベキュー、楽しみにしています!
それから数日、カンプリュで過ごした私たち。
オーベルジュでご飯を食べたり、Aさんのお家へ行ったり、あちこちドライブに出かけたりして楽しんだ。
このセヴェンヌの風景、写真ではスケール感が全然伝わらない・・・
なんだろう、実際目で見る景色と、違うんだよなあ。もっと広い、なんだか泣き出しそうな孤独を感じるほどの広さなのだ。
海外での運転が大好きなヤング。これが後々、徒になる・・・。
息子が通い詰めたプールのあるメリュイスへも行った。
市民プールはとっくに閉まっていて、しんとしていた。
プールのすぐ下に流れる小川で、去年は息子とよく遊んだ。
去年は見つけられなかったザリガニを、夫と見つけて息子は喜んでいた。
これも実物はもっとステキなんだけどなあ・・・。とても不思議な景観なのだ。
「お父さん!ここがオレの秘密の遊び場だよ!」
ザリガニでか!
なかなか帰ろうとしない父子。
一年て、つくづく、早いなあ、と思う。
同じ場所に来ていても、息子のサイズも話すことも全然違う。
子育ての時間は、あっという間に過ぎてしまう。
だけど、こうして、家族と旅行先で過ごした時間は、流れ去る日常の記憶のなかでも、キラキラと浮かんでいるような気がする。
モノより思い出とはよく言ったものだと思う。
遠くでなくてもいいから、いつもと違う場所で過ごす家族の思い出を、やっぱりたくさん作っておこう。
メリュイスの小川ではしゃぐ父子を眺めながら、そんなことを思う元・文学少女の私であった。
セヴェンヌ名物羊追い!
夏も終わったのに、まだ羊がいるんだなあ、そろそろ山を下りていくのかな。
オーベルジュの優しい味の野菜スープ、またありつけた♡
レンズ豆とジャガイモとお肉の煮込み・・今すぐ食べたい!たまらんうまさ。
メリュイスのパン屋さんから村へ運ばれてくるパン、どれも美味しいんだよね。
ある晩、寝泊まりしているSTUDIOに入ろうとしたら、なんと建物入口のオートロックが壊れて、入れなくなってしまった。
あたりはもう真っ暗。
Aさんが工具を持ってきてくれて、車のライトで入口を照らす。
夫がいろいろやってみるも、なかなか開かない。
Aさんの息子、W君も一緒に試行錯誤してくれるのだけど、
格闘すること数十分。これはもう無理そうだ、今夜はAさんの家かオーベルジュで寝ようか……と諦めかけたとき。
W君が細い隙間から手を伸ばして、金具を使い、カチャッ!といい音がして、扉が開いた!
でかした、W君! ずっとつきあってくれて、ありがとうね〜!
いやはや、フランスらしい、というか、カンプリユらしいというか。
オーベルジュに行ったら、「いつか壊れると思ったんだよね〜」だって。
良くも悪くも、ほんとにゆるい、それがカンプリユ。
そしてあっという間に、カンプリユで過ごす最後の晩がやってきた。
みんなでご飯を食べよう!ということになって、私は持参した創味のつゆを使って鴨鍋を作った。
ほんとうは白菜が良かったんだけど、キャベツしかなかったので、ネギとキャベツとたっぷりの鴨。最近オーベルジュで流行中の日本の炊きたてご飯と一緒に、なんだか不思議だけど一皿盛りに。
みんなでテーブルを囲んで、お別れの晩餐。
こんな風に盛らないよね(笑)。フランスで食べる鴨鍋、美味しかった!
みんなぺろりと食べてくれた!ありがとう。みんなに会えて、幸せでした!
今やすっかり兄貴のような存在になった、W君。
息子のことを、本当にかわいがってくれた。
「一緒に寝たい」なんて言ったりして。
去年は小さい子の面倒なんて……とウザがったりしてたのにね。
彼も息子も成長したし、一緒に過ごした時間が、いい関係を作ってくれたんだなあと嬉しい気持ちで眺めた。
すっぱいグミを食べ合って爆笑する二人。
まだ寝ない!って、一緒にいたいから、ずっと私たちにくっついてきたW君。パン置き場で居眠り。
その夜、私はAさんの家に行って、夜中までおしゃべりをした。
Aさんは飲まないんだけど、私は一人でワインを飲み続け、気付けばけっこう飲んでいたみたい。
STUDIOまで帰ったとき、満天の星空の下、Aさんが送ってくれた……んだったと思う。
去年の記憶とごっちゃになっているかもしれない。
翌朝、5時にはカンプリユを出て、お昼までにボルドーへ向かう予定になっていた。
それで、そのまま、STUDIOの前で、Aさんとも別れたんだったと思う。
とにかく、この夜、私は久しぶりに酔って、朝方、トイレに篭城した。
暖房が効いていて助かった、シャワーとトイレの部屋で、海老のように丸まって、上から下からもう大変。
ああ、なんでいつもこうなっちゃうんだろう。
ハワイでも、プーケットでも、海老になったなあ・・・。まったく学習できない人間だ、私は。
オーベルジュでもらった、たくさんのお土産と荷物を、吐き気、だるさと戦いながらも、なんとかパッキング。
結局5時なんかにはとても出発できなくて、6時半を過ぎたくらいだったか、車に荷物を押し込んで、まだ真っ暗な村を出発した。
「暗え〜!!」
夫が運転しながら叫んでいる。
私は後部座席で海老のかたちのまま、みんなありがとう、とつぶやいて、眠りの森へ……。
去年のお礼がしたくて、みんなに会いたくて、一年ぶりに訪れたカンプリユ。
最後は強烈な二日酔いでトホホだったけど、やっぱり、行って良かったと思う。
今度はいつ行けるだろう。でもきっと、いつ行っても、ゆる〜く、温かく迎えてくれるに違いない。
ありがとう、みんな。
つきあってくれた夫と息子にも、ありがとう。
で、後から聞いたら、夫はライトをどうやってつけたらいいかわからないまま、くねくねした山道をおっかなびっくり運転していたらしい。森ではイノシシにも遭遇したとか。
目を覚ますと、夫の運転する車はアルビのあたりを走っていた。
すると、「おしっこ〜!!」と息子。
朝早い田舎町。どこでトイレが借りられるかなあ、と走っていたら、SPARを発見。
なんだかお腹もすいたし、立ち寄ることに。
無事にトイレを借りられて、サンドイッチなど食料を買い込み、ふたたびボルドーを目指す。カンプリユからボルドーまでは、ざっと6時間。なかなかのロングドライブなのだけど、ほとんど私は寝ていたので、あっという間だった。
気分スッキリ!さあ、まだまだ行こう!
調子に乗った夫は、高速道路でガンガン飛ばしていた。
160kmとかメーターに出ている。
しかし私は眠すぎて、指摘すらできずに横たわっていた。
いや〜、ほんとに、無事にいま生きている奇跡!
トゥールーズで一度給油をして、またトイレ休憩。
道はどんどん都会っぽくなってきて、ボルドーまでは、さあ、もうすぐだ!
次回は、ボルドーでのプチバカンス編です!
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