2016年10月20日木曜日

子連れフランス旅日記 <さようなら、オーベルジュ編>

帰国して、はや10日以上が経った。
カンプリユで過ごした日々が、なんだか幻のように思える。
いつも通りの日本での暮らしが始まったが、3ヶ月、男の一人暮らしの部屋になっていたわが家を整理するのに時間がかかり、また、気持ちの整理もなかなかつかなくて、振り返ることが難しい。
それでも、いまのうちに書いておかなければ忘れてしまう、すでにいくつか忘れかけていることもあるので、記録しておくことにする。

F子たちをモンペリエへ送った数日後、パリへ旅立つことになっていた。

残り少ない日々を、私は惜しい気持ちで過ごした。
息子は、ここで暮らすことが当たり前といった調子で、毎朝元気よくエコールへ出かけて行く。

この広い空、忘れられない。

冬が始まろうとしていた。
セヴェンヌは、夏が涼しくて秋のよう。だから、秋はすっとばして、いきなり冬になる、と村の人は言う。

日曜日、オーベルジュのLouisが、2歳の誕生日を迎えた。
パパとママの両親も駆けつけて、アイドルタイムにお祝い。
シューを積み重ねた誕生日ケーキは、フランスの定番だ。
どの子もそうであるように、ケーキよりもボンボン(飴とかグミとか)のほうが嬉しくて、そればかり食べているLouisだった。

2歳って、どんな風だったっけ。息子のことを思い出そうとしたが、できなかった。


 Louisは牛が大好き。


私と息子は、彼に、シャワーの後に履く靴をプレゼントした。
2歳とは思えないほど大きな子供。靴のサイズは4歳児並みだ。

「ショコラとカマンベール!!」写真を見て、オレリアが大笑いした。黒と白。

毎晩、息子と一緒に、Louisをシャワーに入れた。
はじめはシャワーが大嫌いで、泣いていたLouisも、すぐに慣れて、私の顔を見れば「Douche♪」と言うほど。

息子が仕込んだ、シャワーで口の中に水をためて吐き出す芸は、「Fais A!!(アーンして)」でマスター。自らシャワーに顔を付けるようになったLouis。
また、「バンザーイ」と言うと、「バンジャイ」と言って両手を上げるようになった。
かわいかったなあ・・・バンジャイ。

フランス全土で大流行しているプー(シラミ)、保育園でうつってしまい、痒そうだったっけ。息子は、うつりにくいタイプなのか、大丈夫だった。

「ピーピーポー!」と言えば、ピッピポット(おまる)のこと。
トイレトレーニング中のLouisは、上手におまるでピッピ(小)もカカ(大)も成し遂げるようになってきた。

ああ、思い返せば、楽しかった。
一人っ子だから、一度きりだと思っていたトイレトレーニングを、もう一度母親のように体験できるなんて。
Louisがシャワーでカカしてしまい、息子と大慌てで処理をしたのも、いい思い出だ。
次に会うときは、すっかりトイレで用を足しているんだろうな。

シャワーの後は、一緒に晩ご飯を食べた。
息子よりも早く、たくさん食べるLouis。 すでに生ハムやサラミ、チーズが大好き。野菜は大嫌い。

私たちのことを、覚えていてくれるだろうか。
2歳では、ちょっと無理かなあ。

 日仏兄弟。お兄さん気分が楽しかったね。


 中学生のHugo。オーベルジュに来ては、息子と遊んでくれた。

そして、あっという間に、オーベルジュを去る日がやって来た。
エコールへは、お昼まで登園。
先生はじめ、みんなに挨拶をするために、私も迎えに行った。


 Louicと肩を組む息子。担任のパトリシア先生。みんなありがとう。

 エコールの皆が描いてくれた絵や、手紙をたくさんお土産に、荷物を詰めた。

オーベルジュのバーで、簡単にお昼ご飯を食べたら、モンペリエへ出発。

仲間たちみんなに、挨拶をした。

「また来年ね!」と言うと、タティおばあちゃんは、
「私はもう89歳。だからもう会えないかもしれない」
そう言って泣いた。
大丈夫、必ずもう一度会えるよ、抱きしめたタティの体の小ささを実感して、私も号泣。
リアルうるるん滞在記やん・・・。。

 ありがとう、A子さん、オレリア、Louis。

オレリアが、
「持っていって!!」
と、地元のチーズをたくさん真空パックして持たせてくれた。

本当にありがとう。
なんだか、何を言っていいかわからなかった。


A子さんの車に荷物をすべて詰めて、さあいざ出発。
あれっ、W君は?
 彼はもう午後のエコールへ出かけてしまっていた。
「ご挨拶できなかったね」
と息子。
「もう〜あの子は・・・。ごめんな、手紙書かせるわ〜!」
と母のA子さん。
手紙はきっと届かないだろうな、と心の中で笑いながら、車に乗り込んだ。


山道を下って、モンペリエに着いたら、車を置き、TGVの駅までトラムに乗る。
何度も通った道程。A子さんの運転で一緒に来るのは、意外と初めてだった。

少し時間があったので、コメディ広場でお茶をしてから、TGVの駅へ。
ホームまで、A子さんがついて来てくれた。

乗り込み口で話していたのだけど、出発まであと5分、というところで、 息子が「もう席に座りた〜い〜」と空気の読めない発言。
出発前に別れた。

座席を探すのに手間どって、席についたのは動き出した後だった。
窓からA子さんを探したが、見つけることができなかった。



夕飯は、車中でツナサンド。

車窓から夕暮れを眺めながら、TGVはパリまで4時間。
パリでは、荷物が多いから大変ということで、R子さんが駅で待っていてくれることになっていた。

それにしても、長かったような、短かったような、南仏セヴェンヌでの生活。

私は、今でもそうなのだけど、
この旅の終わりの、TGVでの車中の気分は、複雑で、何とも言い表しづらい。
どう言ったらいいのか・・・寂しいとも、悲しいだけとも違う、不思議な感情。これを、日本に戻ってきた今、まだ引きずっている。

Facebookで、ある友達が書いていたことなのだけど、留学先で、みんなが優しくしてくれるのが不思議だった、と。自分はそんな風に優しくされるに値しないのに、と思っていたという。これ、ものすごく、よくわかるのだ。

オーベルジュのみんなは、よく知らない人間、しかも言葉もよくわからない曖昧な日本人に対して、無条件に親切にしてくれて、何でも差し出してくれた。
この超弩級の優しさに触れたことで、なんだか私は相対的に、自分の価値に自信を無くしてしまった。
そんなこと言うのは変だよ、とオーベルジュのみんなは言うだろう。
 だけど、私には、同じだけ感動を伴う優しさを、どのようにお返ししたらいいのか、まったくわからない。
ああ、そうか、お返しのしようがないという、この罪悪感なのか。

それで少し思いついたのだけど、この感情は、両親や祖父母と離れたときに似ているかもしれない。
お礼のしようがないくらいお世話になった人との、別れ際。

旅で少しすれ違った人とは違う。私と息子は、彼らと、大きな家族のように生活をさせてもらったので、家族と離れたような寂しさを感じているんだわ、私は、
なるほど。
やっぱり書いてみると、気持ちの整理がつくものだな。

A子さん、わいやん、オレリア、PJ、Louis、タティ、ジョナタン、ハリード、ロベール・・・みんなみんなありがとう。
いや、もう、ありがとうとしか言えないです。どうかして気持ちを伝えるには、フランス語をもっと頑張るしかない、んだな・・・。

パリへの4時間は、長かったはずなのだけど、ほとんど記憶に残っていない。
たぶんそれくらい、ぼんやりしていた。

すっかり夜も更けた22時近く、パリに到着。

ものすごく重いスーツケースに、キャリーバッグ、そして幼い息子を抱えた私にとって、R子さんのお迎えは天の助けだった・・・。


次回、子連れフランス旅日記<パリ・アルザスで完結編>、お楽しみに!!



2016年9月27日火曜日

子連れフランス旅日記 <友遠方より来る 編>

Comment vas-tu?
私も息子も、元気に過ごしております。


 雨上がりの夕方、オーベルジュから見えた見事なダブルレインボー。 ちなみにフランス語で虹はラルカンシェル。

息子は苦手な食べ物があると異様に食べるのが遅い。

 日が暮れても食べ終わらない・・・。

いつものおじいさん(ミッシェル)も来て飲み始めたが、まだ終わらない食事。

長雨が上がると、少し暖かさが戻ってきたCamprieu。 
日本からはるばる、大学時代の親友F子とその娘M子が私たちに会いに来てくれた。
法律の仕事をするF子のバカンスは1週間。
オーベルジュの仲間たちが、「えええッ、1週間だけ!?」と驚いた。

フランス人のバカンスにかける情熱はすごい。
春、夏、冬と、通算2ヶ月以上は長い休みがあるんじゃないだろうか。そのために働くと言ってもいい。しかもあまり残業しない。毎日きちんと家族と夕飯を食べて、バカンスはどこかに長逗留してのんびりと過ごす。
日本は散りぢりに祝日があって、小刻みに休む。だから安近短なんて言葉があって、1泊2泊でちょいちょい旅行、渋滞に巻き込まれて疲れるだけ・・・。
フランスもいろいろ問題を抱えた国だけど、バカンスの取り方については本当に学ぶべきだと思う。

賞味5日ほどの滞在のために、ものすごく時間をかけて来てくれたF子とM子。
私は嬉々としてモンペリエまで車で迎えに行き、慣れ親しんだ田舎の村へご案内した。

オーベルジュで働くA子さんと、私とF子とは大学時代の友人。
F子母子は、A子さんの家に滞在して、毎晩一緒にご飯を食べ、ゆっくりとおしゃべりを楽しんだ。

夏は忙しかったA子さんも、秋は一息。
お休みを取ってくれて、一緒に近所をぶらぶら。
W君と息子は、いつも通りエコールに通い、夕方から一緒に行動するという毎日を過ごした。

3人の疑似きょうだい。楽しく遊んだね。


「 私も一緒に行きたいなあ・・・」もうすぐ4歳のM子。



私もそうだったのだけど、F子とA子さんの再会はおよそ15年ぶり。
「変わってないねえ!」

それでもやはり15年の間にはいろいろなことがあって、毎晩、遅くまで3人で話し込んだ。
その傍らで、賑やかに遊ぶ子どもたち。

「次世代同士で遊ばせられるとは思わなかったねえ」

子どもたちの様子を眺めながら、感慨深く昔を振り返った。

A子さんは3姉妹。
私たちが大学生の頃、A子さんたちは、京都の下鴨に小さな家を借り、姉妹で共同生活をしていた。姉妹それぞれの友達が出たり入ったり、それは賑やかな家だった。私も入り浸っていた一人で、卒業して地元に帰っても、休みのたびに京都に行って、その家に逗留しては、だらだらとおしゃべりをして過ごした。
姉妹には外国人の友達も多く、そこはまるで、バックパッカーが集う宿のサロンのようだった。

ある日、その家で、昼近くに起きて、ねぼけ眼で珈琲を飲んでいると、バイトへ行く前のA子さんが食パンにカマンベールチーズを一片乗せて、トースターで焼いてくれた。
それが美味しくて、わあ、まるでフランス人のようだなあ、なんて思ったものだ。

いつまでもヒッピーのようなムードが漂って、このまま永遠にそんな時間が続くんじゃないかと思われたそのサロンも、いつの間にかなくなった。

その後、A子さんはフランス人男性と結婚して、子どもを3人もうけた。
次女と三女もそれぞれ家庭を持ち、私もF子も遅くに子どもを得た。

そして今、こんな風に南フランスのど田舎で、お互いの子どもたちを遊ばせながら、またあの頃みたいにおしゃべりができるなんて。
あの頃には想像もできなかったけれど、 なかなかいい未来が待っていたんだな。

サロンに出入りしていたなかには、亡くなった友もいる。
彼女のことも、思い出す。
健康で生きていられることが、一番なんだな、と改めて思う。
 


M子、息子、Adam、W君、Louis。

ある日、エコールでは、自転車教室が行われた。

私も子どもの頃、小学校で、あったな〜、自転車教室!
手信号とかやらされて、級もあったりして。

小1からの自転車教室なのだけど、息子は自転車が得意ということで、特別に校舎外のレッスンに混ぜてもらった。村を一回りして、広場で自転車のテクニックの指導を受けたらしい。


 得意げな息子。

 ストライダーみたいな乗り物(木製)に乗って、追いかけるM子。


自転車教室の様子を、M子はずっと眺めていたらしい。
M子も一緒にエコールへ行けたら良かったなあ。バカンス1週間では、短すぎるか・・・。

うちの息子も、M子も、高齢出産の一人っ子同士。
ときにどうでもいいものに執着して(ゴミを拾って奪い合うとか・・)ぶつかり合い、面倒な喧嘩を繰り広げたが、W君や年下のLouis、近所の子どもたちとの交流が風通しを良くしてくれた。
「やっぱり長屋の子育てが一番いい」
F子とつくづくそう話した。
子どもが多ければ多いほど、大人も子どもも楽。大人は離れて眺めて、危なくなったら少し手助けをするだけでいい。
母子2人きりでは、煮詰まる。
3歳までは手元で育てたほうがいいとか、まったく、何を言っているんだろうと思う。

さて、F子たちが滞在中には、ニームかライヨールへ観光に行こうかと考えていたのだけど、移動が長いのも子どもには厳しいということで、結局村の近郊でのんびりと過ごした。

水曜日の小さな朝市。
ミヨーへのドライブ。
湖への散歩。

 村の中央に位置する広場には、高山植物が咲き乱れる。

 小さくけなげな花。なんという名前だろう。

そして、あっという間に、彼女らが帰る日がやって来た。

まだ薄暗い早朝、車に荷物を積んで、再びモンペリエへ。
この日は土曜日だったので、息子も連れて、ついでに観光をして戻ってくることにした。


トラムではしゃぐ2人。

2時間程のドライブを経て、またトラムに乗り、空港行きのバスが出発するPlace de l'Eulopeへ。
余裕を持って出たつもりだったけど、バス停に到着したのは、出発時刻の3分前。ギリギリだった・・・1時間に1本しかないバス、乗り過ごさなくて良かった。
彼女たちは、国内線でパリへ向かい、一泊してから、東京に帰って行った。
最後のパリでは、どんな過ごし方をしたのかな。また教えてね。


Antigoneと呼ばれる地域で、近代建築が有名。

2人を見送ると、私と息子は、付近を散策。
モンペリエはまだ気温が高く、秋の始まりの朝、という感じで、とても気持ちがよかった。

パン屋を発見。ちょっと遅い朝ご飯。

見た目はとても美味しそうなクロワッサン。でもMeyrueisのパン屋さんのほうが、美味しかったな。

しばらくぶらぶらしてから、再びトラムに乗り、水族館へ。

土曜日なのに、ずいぶんすいていた。

オディッセウムにある水族館は、入口が小さいので、たいしたことないのかな、と思ったが、ジャングル、宇宙、客船などなど、テーマパークのような造りのなかで魚を見せていくという、ユニークなものだった。

さほど大きな水槽もないけれど、工夫されていて、とっても楽しめた。

「こ、怖い」嵐に遭った船という設定で、床がグラグラ。息子びびりまくり。



南の島の熱帯魚を、ハイハイしながら眺める。

朝早く、2時間のドライブをした後だったので、熱帯魚の水槽の前で、私はすっかり眠くなってしまい、少しウトウト・・・。
熱帯魚って癒されるんだなあ。飼う人の気持ちが、初めてわかった。


タコのコーナーは広く、なぜか力が入っていた。

ランチは、海賊のテーマレストランへ。
フランスの子どもたちは、海賊が大好き。
「ピハーツ!!」
夏祭りで海賊のコスプレセットをゲットしたこともあって、息子も大喜び。


店内はグーニーズみたいな雰囲気だった。

中に入ると、子連れの家族がいっぱい。
注文をすると、コインをくれて、ガチャガチャができるようになっていた。
「おかあさん!バーミヤンみたいだね♡」
と息子。う、うん。バーミヤンって久しぶりに聞いた気がするよ・・・。



サーモンのサラダ。ガスパチョやパンもついて、お腹いっぱい。

息子はバーガー。

「いいなあ。オレもここでボンアニベルセルしたい・・・」

海賊風の衣装をまとったスタッフが、花火をさしたデザートを持ち、鐘をならして練り歩く。
あちらこちらのテーブルで、誕生日会が開催されていた。

私たちのテーブルのすぐ近くでも、ママ友と子どもたちの団体がパーティーをしていた。
山積みのプレゼントを奪い合うようにして、包み紙を破る子どもたち。
うらやむ視線を送る息子。
こういうの、子どもは嬉しいんだろうな。
ママたちはおしゃべりに夢中。
どこの国でも、同じなんだな、と思って眺めた。


海賊が人気って、やっぱりヨーロッパだなあ、と思う。



 「また来よう!」・・・お母さんは、もう、いいわ。

帰り道には、大きなブロカントの倉庫に寄った。
買い物が嫌いな息子だが、ブロカントを覗くのは、宝探しみたいで好きみたい。


とっても大きな倉庫。

古いフィルム用カメラを見つけた。

かわいい熊のぬいぐるみ。


そして、気がつけば、いよいよ私たちがこの村を離れる日も近づいてきた。

息子は今日も張り切ってエコールへ。
エコールへ行けるのもあと2日。
今日は、お昼にカレーをたっぷり作って、W君と息子に食べさせた。
残り少ない時間を、大切に過ごしてほしい。

私は、ここ数日、なんだか引き裂かれるような不思議な気持ちを持て余している。

友が来て、私が何をしにここまで来たのかがわかった気がしたのだった。

学生時代に過ごしたサロンに、ひととき、タイムスリップしに来た。

A子さんとF子と私だけだったけど、気分的には、あの頃の友達、みんながそこにいるようだった。

いつか息子も、若い頃の気持ちを辿る時が来る、
その時には、こんな風に、素晴らしい友達が隣にいますようにと祈る。

村の体育館でハンドボールをして帰ってきた息子たち。

2016年9月15日木曜日

子連れフランス旅日記 <セヴェンヌに秋が来る 編>


来たばかりの頃は、23時くらいに落ちていた太陽も、今や20時半には山の向こうに姿を隠すようになった。
毎日、カラリとした晴天が続いていたセヴェンヌにも、本格的な秋の訪れを告げる雨が降る。 先日は、暗いうちにピカリと光った雷で目が覚めた。横殴りの雨が、シャワーのように窓ガラスを流れる。


いつもは真っ青な空が、どんより。


山歩きのご一行様、無念のチェックアウト。



毎日喜んで自転車で幼稚園へ通っている息子を、この日ばかりは車で送迎。
「チェッ!自転車で行きたかったのになあ」
今週は、雨の予報。雨がやんだら、一段と涼しくなるのだろう。

雨が降らねば、シャンピニオンは育たない。
シャイニンオン〜♪じゃないよ、キノコだよ。←最近昭和ネタを入れないと気がすまない私

そう、そろそろ、キノコの季節。
オーベルジュにも、「セップが採れたよ」と大きなのが一つ、届いた。

 残念ながら虫食いのスカスカで食べられなかったけど・・早く食べてみたいセップ!

イタリアのポルチーニ、まったく同じではないのだろうけど、そんな感じのキノコみたい。
これから冬にかけて、オーベルジュにはセップの料理を求めるお客さんが押し寄せる。
私は・・・食べるタイミングがあるかなあ、あるといいなあ。ギリギリかなあ、と言われて、ドキドキしている。

それにしても、フランスの食材は美味しい。
なかでも、やっぱりパンがとびきり美味しい。

 皮パリパリ、中はふわふわ。ポルカというパン。起きるのが楽しみになる、フランスの朝食。



手作りの牛乳のコンフィチュール。バニラ風味の練乳というところ。


オーベルジュでは、季節の果物や、こうして牛乳、山羊の乳など、食材はほとんど余すところなく調理をする。
オーベルジュのオーナー、オレリアのパートナーPJは農家を営んでいるので、
残飯は、家畜のエサとなり、肥料となり、ふたたび野菜や卵、肉類に姿を変えて、オーベルジュに戻ってくる。
このサイクルは素晴らしいと思う。


オーベルジュのキッチンで働く仲間、モロッコがルーツのハリード(28)。冗談ばかり言っている陽気な元ヤン。



 キッチンでタルトシトロンをむさぼる息子。背中にあるのは、山羊の乳で作ったプリン。

いま、シーズンとかで、山羊の乳でいろんな料理を作っているのだけど、この乳がものすごく美味しい。なんだろう、牛乳とはまた違う、爽やかな香りがある。
これもまた日本では手に入らないだろうな〜。

食べ物というのは・・本当に、その土地で、旬を食べるから美味しいのだと、今回の旅でつくづく思う。
日本に帰ったら、秋の旬のものをたくさん食べたい。

今食べたいもの・・・

秋刀魚、鯖など青魚の塩焼きに大根おろし
寿司、刺身
餃子、ワンタン、中華そば
鍋もの
イタリアン
焼鳥
焼き肉
こんなところかな〜 まあ、日本ではいつも食べてるヤツを、いつものように食べたいということです。


あと、アリゴ(じゃがいも餅みたいな郷土料理)には入っているんだけど、ほとんど、ここではにんにくを食べない。
だから、にんにくの効いたアルデンテのスパゲッティーとかも、なかなか食べられないから、ひじょうに食べたい。
アイヨリソースなんかは、もっと海寄りのほうで食べているだろうけど、山では食べない、にんにく風味がする、と思ったら、パウダーを使ったりしている。 不思議だなあ。フレッシュなにんにく、食べたい。

あと、ひなびた居酒屋に行きたい。
昔、名古屋でよく行った大須や伏見の居酒屋みたいなとこ、空豆とかマグロのブツとか・・・洒落っ気のないつまみに、ジョッキで生ビールが飲みたい。


ちょっと話が反れてしまったけど、
山羊といえば、
この間、山羊の大群に遭遇した。



 2頭しか写ってないけど、大群だったのです。

週末にルビガンのMさん宅へ遊びに行った帰り、上り坂をウンウン走っていると、急に前から現われた山羊の群れ。
夏の間、高地へ上って草を食む山羊たちが、群れをなして公道を降りてくる風景は、まさにセヴェンヌ名物。ステッキのようなものを持って山羊を追い、伴走する人たちがいる。


どこかから拝借してきた写真だけど、こんな感じ。



イタリア語ぺらぺらのMさん。フランス語特訓中。

晴れて気持ちよかったルビガン再訪の模様は、Mさんのブログ「南仏ルヴィゴン 猫と自然のある暮らし」に詳しく書いてもらった!
Mさん、たくさん写真を撮ってくれてありがとうございました。
バーベキュー、本当に美味しかったな〜。


弟分、Louisと夕方のお散歩。

さて、オーベルジュに居候して、2ヶ月以上が経った。
異国、異文化であるこの新しい環境、そして息子にとっては、初めての他者との共同生活。
ここで、私は、子育てについて、改めて考えさせられている。

オーベルジュでは、オーナーの息子Louis(もうすぐ2歳)、お隣の小学生W君と一緒に過ごしているのだけど、年下のLouisには分け与えず、W君には何でもねだる、という、やっかいな次男坊的ポジションに納まってしまった。

息子はふだん、保育園から帰ると私と2人きりで夕飯を食べ、土日も家族3人で行動。そして、一人っ子の家族同士で遊ぶことが多い。
好きなものを好きなだけ食べ、自分だけのおもちゃで遊び、両親の愛情も独り占め。

だから、何かを分け合うとか、譲り合うということに、慣れていない。
性格はわりと穏やかなので、 これまであまり気にしたことはなかったのだけど、こうして相対視してみると、ものすごく勝手な面が多々あって、
ああ、そうか、今までも、これぞ一人っ子・・・という感じで見られていたのかな、と思った。
  
きょうだいの数は、その人に与えられた運命なんだから、一人っ子でも別にいいと思う。
しかし、今後、学校へ行くようになったり、多くの人々と接するとき、きょうだいで訓練したコミュニケーション術を生かせるメリットは大きい。


 
 「オレがとった木の実だ」とはじめは弟分に渡さなかったが、私に叱られてしぶしぶ与える息子。

幼いLouisに優しくしたかと思えば、おもちゃを奪って泣かせて、W君にこっぴどく叱られる。
こうして擬似的に三人兄弟として過ごしているところを眺めて、はじめはハラハラしたものの、今となれば、ああ、ここまで来た甲斐があった、良かったなあ、と考えている。

息子にとっては、言語よりも、こうしたコミュニケーションをおぼえることのほうが重要だ。遊んだり、喧嘩したりしている間に、言葉は後からついてくるという感じ。
私も、息子とLouisを一緒に見ているうちに覚えた言葉がいくつかある。

今回の旅で、フランス語ペラペラ・・・とまではいかないけれど、言葉に親しみ、フランスの食べ物、友達、自然が大好きになった息子。
これをきっかけに、世界中の人と、臆することなく交流できる人間になってほしいな、と思う。
きょうだいがいない分だけ、友達はいっぱい作るんだぞ!!


息子の荷物掛け。写真付き。嬉しいね。

毎晩、眠る前に、
「あ〜、早くエコール行きて〜な〜」
と言う息子。
何が楽しいのか聞いても全然教えてくれないが・・・楽しいなら、何より。

来週は、日本から友達が娘を連れてやって来る。
息子がお兄さんヅラをして地域を案内する様子を想像すると、つい笑えてしまう。